まだ少し肌寒く、布団に籠っていたい。 そんな事を考える春の朝。 この前医務室に来た10番、だったかな。 まぁなんでもいいや。 その10番の怪我とか、体調の様子を見に牢屋へ欠伸をしながら向かう。
🐒🩺
上司に聞かれたら怒られるな。 なんて考えながら歩みを進める。 牢屋が見えてきて、中には2人。 …2人?
🐒🩺
後ろ姿しか見えていない為、 断定は出来ないが、よく見た事のある、頼りがいのある背中だった。 というか、彼の管轄は兄貴だけなので、 兄貴じゃないとおかしい。
🐒🩺
バレないように廊下の壁に張り付きながら更に距離を縮める。 少し顔を出して牢屋に目を向けると、 今にも、キスしそうな、そんな距離で、10番と兄貴の顔が触れている。 …いや、は? 兄貴と10番が恋人? な訳ない、はず。 きっと、なにかの見間違え。 そう暗示しても、納得出来なかった。 じゃあなんであんな距離が近いのか。 最近兄貴が明るいだとか。 そんな疑問が疑問を呼ぶ状態になって それどころじゃなくなった。
🐒🩺
時計を見ると朝食の時間を 少し過ぎており、どうすることも無く 医務室に戻った。 帰る時も、ずっと、あの光景を 考えながら。
🐒🩺
スケジュールを頭の中で思い返してみると確かそうだったはず。 刑務作業の日は怪我人が出てくる為、 絆創膏やら消毒液やら、 万全の用意をしておかなければいけない。
🐒🩺
忘れようとしても、忘れれないけど。 とにかく今はご飯を食べて、怪我人が来たら治すことだけを考えようと、意識していた、はずなんだけど…、
🐰
なんで居るんだよお前…ッ!!
🐒🩺
🐰
🐒🩺
サボりじゃねぇか、 なんて言おうとしても 本当に体調が悪かったら 色々問題になるから言えない。
🐰
にへ、と笑って見せて、 此方の心を乱してくる。 ああ、こういうことか。
🐒🩺
🐰
🐒🩺
🐰
🐒🩺
苦笑いしつつも、 心の中で何度も復唱した。 …兄貴があんなんする意味、 分かったかも。
🐒🩺
🐰
🐒🩺
🐰
🐒🩺
少し、ホッとしてしまったのは 何故だろう。
🐰
🐒🩺
🐰
🐒🩺
🐰
🐒🩺
まぁ、許してる俺が悪いんだけど。
🐰
🐒🩺
そんな顔で見ないでくれ。 顔を傾けて、ちょっと遠慮気味に。 そんな可愛いことされたら、 …許すしかないじゃん。 あーあ、兄貴と対立すんのは嫌なんだけどなぁ…。
🐒🩺
🐰
兄貴に渡したくなくなっちゃった。 俺だけのものにしたいって、 思っちゃった。 絶対、負けないから。 俺だけのものになってよ。
コメント
4件
もう!めちゃくちゃばかめちゃ好きです!続き出るまで寝ます!
続きが楽しみ!