君がくれたメロディー。

#6

その後すぐ､向井さんはハッとした表情で

私の後ろに視線を移し頭を下げる。

それにつられ私も振り返る。

そこには、私がずっとお世話になっている､

深澤先生が居た。

深澤先生は向井さんと私の顔を交互に見た。

そういうと深澤先生は､にっこりと笑う。

突然の深澤先生の登場に向井さんは

緊張している様子だった。

深澤先生は優しく微笑んで

私たちが読んでいた写真集を手に取った。

そう言って深澤先生は写真部を後にした。

余程緊張したのか

ドアがしまったと同時に向井さんは息をつく。

気が抜けた表情をして､机に突っ伏す

そのままの体制で私に顔を向ける。

サラサラとした髪の毛が少し目にかかって

その見た目にドキンとして、

頭がのぼせるような感覚になった。

嘘はついていない。大体あっている。

ふっ、と笑ってまた机に突っ伏した。

なんだろう。

さっき出会ったばかりなのに､

何故か心地よくて、

もっと知りたい､もっと近づきたいと思ってしまった。

そう思ってしまった頭を振り立ち上がる。

NEXT♡600