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ないこ

まろ...?

まろの元に駆け寄る

ないこ

なに...!?どうしたの...?何があったの!

ないこ

手首...

血の元が右腕の手首の傷だということに気づいたと同時に嫌な思考がいくつか浮かぶ

ないこ

嘘...

軽く腕を掴んで見る

ないこ

(すごい量の傷...)

その中から、出血元であろうかなり深い傷があった

ないこ

脈...切ってないよね...?

ないこ

まろ...!まろ!

軽く揺さぶっても反応がない

でも、息はあるし首の頸動脈は動いてる

そして、左手の先に、刃が出っぱなしのカッターが落ちていた

ないこ

(やっぱり...リスカ...?)

ないこ

(いや...絶対そうだ...)

ないこ

(なんでそこまで思い詰めて...)

ないこ

(まず...救急車だ...)

ないこ

(何やってんだよ俺...)

ポケットからスマホを取りだし、素早く119の文字を打つ

ないこ

あの...!もしもし...

電話相手

火事ですか?救急ですか?

ないこ

救急です

電話相手

状況は

ないこ

今...あの、友人が

ないこ

恐らく...自分で手首を切ったのか...意識がない状態です

電話相手

室内ですか?

ないこ

はい、その...倒れてる友人の家です

電話相手

周りに人はいますか?

ないこ

いえ...僕だけです

電話相手

では住所を

ないこ

えっと_____

電話相手

分かりました。今すぐ
救急隊員を送ります。

ないこ

ありがとうございます...

そう言い、電話は切れた

ないこ

はぁっ...よし

ないこ

うぅ...(あとは待つだけって言うこの状況が1番怖いな...)

ないこ

まろ...ねぇまろ

幸いもう血は止まっているみたいだ

ないこ

(苦しそうな顔...)

ないこ

(ほんとに...一体何が...)

ないこ

(急に電話かけてきて
くれたと思ったら...)

ないこ

嫌だよ...死なないでね......?

今、自分が口に出して一気に恐怖が襲った

ないこ

え...死なないよね...?

ないこ

嫌だよ...?こんな別れ方...

ないこ

(もう2ヶ月くらい会ってなかったな...)

ないこ

(かなり...痩せてる...?)

ないこ

(ていうか...さっきまでは焦りすぎてて気にも止めなかったけど...)

ないこ

(この部屋...ほんとに酷い匂い...)

ベッドを中心に匂いが漂ってる

ないこ

(なんの匂いだ...?)

ないこ

(...吐瀉物...?)

ないこ

(いや...だとしたら見てわかるはず...)

まろのベッドの方に行く

ないこ

やっぱり...吐いたあとはない......ん?

ないこ

錠剤...?なんか...ちょっと
溶けてるような...

そんな謎を考えていると外から救急車のサイレンらしき音が聞こえ、数分後に玄関が開く音がした

ないこ

来た...

救急隊員

患者は...!

ないこ

か...彼です...

ないこ

もう...血は止まっていると思われます...

救急隊員

まずいぞ!橈骨(とうこつ)動脈を切ってるかもしれません!

救急隊員

早く!

救急隊員

そっち持って!

救急隊員

はい!

救急隊員

止血材を!

ないこ

(うぅ...頼む...助かって...)

警察官

えー少し事情聴取よろしいでしょうか

ないこ

あ、大丈夫です(警察か...)

警察官

事件性は...ないように見えますが

警察官

あなたが第1発見者ですか?

ないこ

はい、彼に報告があり、彼の自宅...ここに来たんです

ないこ

そしたら...

質問がいくつか続き、質問が終わると、まろの部屋を調査していた

警察官

事情聴取ありがとうございます

警察官

では私はこれで

ないこ

はい、本当にありがとうございます

そう言うと、背を向け玄関の方に向かい、閉まる音がした

ないこ

(はぁあ...)

まだ心配な心と少しの安堵感で一気に涙が零れる

ないこ

(まろ...なんで)

さっきの警察官の人との会話でも思ったのが

やっぱりベッドからする匂いから見るに、何度かベッドで嘔吐した形跡や、

枕元にある大量の薬などから、ODによる嘔吐だということが分かったり

搬送の理由でもある手首の傷は、その場でした数よりもかなりの量の傷があったことを伝えると

警察は何か精神病にかかっていないかと言っていた

ないこ

(自分でやらかしといて...メンバーに迷惑かけてるくせに...)

ないこ

(って...何...?何考えてるの...?)

いろいろあり疲れているのだろうか...

大切なメンバーだってことには変わりは無い。...けど、まろがあんなことしたってことにも変わりは...

ないこ

(とにかく...病院行かなきゃ)

If

...

重いまぶたがゆっくり開き、まだはっきりしない意識が戻り始める

If

.........?

看護師

あ、いふさん。目を覚ましましたね

If

...

隣に看護師さんであろう人...いや、看護師さんは俺が目覚めたことに気づき声をかけてきたが口元に違和感があるため返事は返せなかった

手術時の麻酔によるものか、呼吸器がついていた

右腕には、しっかりした包帯が巻かれていて、左腕には点滴が刺されていた

看護師

呼吸器お外ししますね

そう言うと、看護師さんが呼吸器を丁寧に外した

If

...あ...ありがとうございます

看護師

点滴は繋げてありますので、こちらを引いて行ってください。先生から詳しくお話がありますので、どうぞこちらへ

If

はい

くそっ...なんで...

なんで生きてるんだよ...

院長

いふさん、目を覚まされたんですね。

院長

ゆっくりで大丈夫ですよ。1度脈に傷が入ってしまって、ぶつけたりしますとまた傷が開いてしまいますので。

院長

どうぞ、こちらへおかけ下さい

If

ぁう...はい...

精神科医

...

If

(え...なんかもう1人いる...こわ...)

院長

緊張なさってますね...大丈夫です、安心してください

If

はい...

正直、思いっきり切り込んだ時から記憶が途切れてるため、説明はほしいからか飲み込みは早かった

院長

えーいふさんは一時危ない状態でした

院長

動脈を少し切ってしまっていたみたいで、ですがそちらは手術で治療済みですし、後遺症ももちろんございませんのでご安心を

院長

そして、元々血の量が少なかったところからまた急激に減少し、少し危険な状態だったため、輸血を行いました

院長

そして、リスカ痕...ですよね?

院長

そこは、しっかり縫い付けなどを行い数週間で包帯が外せる状態になります

If

(くそっ...あの時...もっと深く切っとけば...)

If

(なんで...どうして生きてるの...?)

If

(やだ...死にたいよぉ...)

いろんな感情が混ざり、耐えきれず涙が落ちる

院長

い...いふさん...!大丈夫ですか?

精神科医

あとは、任せてください

院長

分かりました、ありがとうございます

院長

では、私はこれで

精神科医

いふさん?おーい

If

うぅっ...あぅ...ごめ...ごめんなさい...

精神科医

君が寝てる間、検査を任されてもう済んでるから

精神科医

はい、これ診断書

If

うっ...ありがとうございます...

その紙を手に取り、内容を見る

If

え.........

そこに記されていて、1番早く目に付いた

病名:鬱病

If

(うつ...病...?)

正直、そうだろうとは思ってた

でも

If

(うつ病って診断されちゃったら...)

If

(いれいすに戻れなくなっちゃう...)

精神科医

はい、じゃあさっさと、さっき居た病室戻ってくんない?

If

はいっ...

なんだ...この医者...

すごく...冷たい気が...それが普通なのかな...?

ベッドに戻ると、診断書をも詳しくよまず、力無く泣き崩れる

数分たったとき、急に院長が何か訪ねに来た

院長

あの、いふさん

院長

早速で申し訳ないのですが、面会は大丈夫ですか?

If

(面会...?急やな...)

If

誰ですか...?

院長

えーっと____さんです

If

(ないこか......)

If

はい、大丈夫です

院長

分かりました、お呼びに行きますので少々お待ちください

ないこ

...あ...

ないこ

まろ...

If

...

ないこ

よかったぁあ...

If

え......ぅ

If

(そういえば、ないこが家に来るって話からこうなったっけ...)

ないこ

ほんとに...死んじゃうんじゃないかと思った...

If

...

If

(この様子やったらないこが
俺を見つけたんか...)

If

ほんま...よかったわ...生きてて...

If

(本当は死にたかったけど)

ないこ

でもさ、なんで言ってくれなかったの?

ないこ

まだメンバーには言ってないからあれだけど、少なくとも俺は心配したんだよ!

ないこ

言ってくれないと、人に迷惑かけることになるよ...!

If

(迷惑...かけた......)

ないこ

あ、メンバーに連絡しなきゃ...

If

...!待って!

ないこ

え...なんで?

If

他のメンバーには言わないで!絶対!

ないこ

なんで!迷惑かけるって言ってるじゃん!

If

っ...

If

お願い...

ないこ

いや...!絶対行った方がいいって!

ないこ

まだ、なんでそうなったかもまだ詳しく聞いてないし...

If

...やめて...お願い...

ないこ

えぇっ...!?どうしたの...本当に大丈夫...?

ないこ

もし...いいなら俺になんか話してくれない?

If

...ごめん...言えない...

言ったら言ったで...また大きな迷惑をかける

事故を装わないと...

ないこ

なんで...!ちょっとでも話してくれたら、力になるよ!

If

やめて...やめてよ!

院長

___さん...!

ないこ

え...はい

院長

今いふさんにかける言葉には、気をつけてください

ないこ

え...どういう...

院長

少し...こちらへ

時は遡り、Ifが目を覚ます前、手術が終わってすぐの時まで戻る

院長

いえ...!いふさんは、隔離病棟に入れるべきです!

院長

自〇を図ってしまった以上そうしないといけません!

院長

運がいいのか悪いのか...握力が弱まって切りきれていなかったから生きているだけで、

院長

あれ以上深く切り込んでいたら、亡くなってたかもしれないんですよ!

精神科医

いやー...隔離病棟の患者の相手する人手が少なすぎるんだよー...今の時点で

院長

人が死ぬかもしれないんですよ...!

院長

隔離しておかなければ、いつ自〇を測ろうともおかしくないって言ったじゃないですか!

院長

手術で身体が治ろうとも、心が治らなければ意味がないんです!

精神科医

いふさんは、きっと隔離しない方がいい気がするんだ

精神科医

隔離病棟に入れると、通話手段が遮断されるだろ?

精神科医

俺の予想だが、いふさんは誰かのために生きている気がする

精神科医

会ったり話したりする機会を奪うのはどうかと思う

院長

それは...確かに、1意見としていいとは思いますが...

精神科医

いふさんの性格が性格なのか、取り乱したりしたのは今回だけだそうだ

精神科医

大切な人がいなかったらもっと早く行動に移しているはずだ

精神科医

だから今ならきっと、
薬でどうにかなる

精神科医

心臓やら呼吸器やら、脳も全て調べた結果...うつ病には当てはまるが...

精神科医

そこまで重くはないみたいだ

院長

薬で治療がなるなら、そうしましょう。

院長

ですが...いふさんには、統合失調症になる可能性もあるんです。

精神科医

なってしまった時はその時だ

精神科医

まだなっていない以上、何もできない

院長

...そうですか

ないこ

まろ...えっと...ごめん

ないこ

あのお医者さんから、話聞いたよ

If

いや...いいよ、迷惑かけたの俺だし...

If

(うつ病ってことは...言わないでいてくれたのか...)

ないこ

また、いつでもいいから言ってね

If

...うん

If

えっと...なんで家来ようとしてたの...?

ないこ

いや、また治ったら今度ゆっくり話そう?

If

治ったら...?

If

(うつ病って...治るのか...?)

If

わかっ...た

ないこ

じゃあもう面会の時間終わっちゃうし、出るね

ないこ

じゃあね

If

うん...ばいばい

If

っ...

If

どうしよう...

ないこ

(まだ復帰は先になるか...)

あれから、2週間で退院した

その間綺羅さんからはというと、ないこが帰って数十分たったあたりで、いつも通り電話がかかってきた

入院中と言ったら、どこの病院だとか病室はとか聞かれたが、固くなり言わなかったら引き下がってくれた

まぁ、毎日電話はかかってきたが、病院のためマナーモードにしていたので、気づかなかったが、しっかり毎日かかってきた履歴を見た時は恐怖を感じた

しかもいつ退院したかとか言っていないのに、帰った日から前通りインターホンがなったことから、毎日家に来ていたこともわかったときは悪寒を感じた

今日は退院した次の日だが

正直、入院で少しも気がよくなった気がしない

まだ死にたいって気持ちも治まってない。ただ、あの時みたいな勢いやきっかけがないから死んでないだけ

ただ、いい収穫はあった

If

(精神安定剤...)

処方されたのは、ODを防ぐためか3日分しか処方されてない

この量は一気に全部飲んでも死ねないらしい

If

(まぁ別に俺は死ぬために薬大量に飲んでるわけじゃないからどっちにしろやけどな...)

精神が乱れたときに飲めって言われたけど、1日1回までとは書いてある

If

(乱れた時って言いながら
1日1回はおかしいやろ)

1回で2錠、3日分ってことで6錠

1回分でもかなり効き目はいいらしい

と、薬の説明を読み終える頃には6錠出し終わったため、そこら辺の飲みかけの水を手に取った

If

っ...

6錠一気に水に流し込む

If

っ...はぁっ...はぁ...

もちろん即効性と言っても、飲んで少し経ってから効き目が出る

5分も経たないうちに分かりやすく効き目が出た

一気に気分が向上する

脳から心臓、そこから全身にわたって鼓動を感じる

If

ぁふっ...ぅっ...あはっ...あぅ...

頭がおかしくなる

何も考えれない

If

ふっ...ぅ......っ!

If

おぇ”ぇっ...っげほ...うぇ...

身体は耐えれてなく急に込み上げてきたものをそのまま吐き出す

If

ぅ...えっ...げほっげほっッ

If

ふぅっ...あは...は...っふ...

そこでパタリと意識は途切れた

If

......

If

っ...(なかなか強かったな...)

効き目が強いほど心地よくなる

さすが精神安定剤ってほど気分は落ち着いた

If

はぁあ...(明日は薬ないからなぁ...)

If

(てか...いつもの薬切らしとったな)

If

(買いに行こ)

If

(え、もう夜やったんや...)

If

(はよ買いに行こ)

よぉ〜兄ちゃん。久しぶりじゃねぇか

If

えっ...(俺?)

聞き覚えのない声に呼びかけられ、立ち止まり振り返る

??

あれ?やっぱ覚えてねぇかw

??

あんときだよ!

If

(え...いつだ...)

If

いてっ...

??

お”い!ってぇなぁ!

If

うわっ...!ごめんなさい...!

??

なぁ”兄ちゃん。何俺の邪魔してくれてんの?

If

いや、そんなつもりは...

If

あ...!

??

お?わかったか?

??

いやぁ〜俺あん時のこと、悪く思ってんだわ

??

ちょっとこっちついてきてくれねぇか?

If

え......いや、俺用があって...

If

前のことは気にしてないです。

??

そんな遠慮すんなって!

??

すぐ済むから!な!

If

うわっ!ちょっと...!

手首を捕まれ強引に引っ張られる

If

(力...強...)

If

(あんま逆らわん方がええ...か)

If

えっと...どこですか...ここ

??

兄ちゃんに、ちょっといい話を持ちかけてやろうと思ってな

??

あのぶつかった時から、実は俺何回か兄ちゃんのこと見かけててよ

??

薬買ってコンビニ出てきたり、病院から出てきたりで俺心配になっちゃってよ〜

If

っ!(見られてた...?どこで...)

??

だから、そんな人生に疲れてる兄ちゃんに

??

こいつをあげようと思ってな

If

えっ!?...これって

??

まぁ、よく聞く隠語でいうと、ハッパって言うか?

??

まぁ、仲間と取引する時は、そんな共通認識されてる隠語使わんがな

??

どうだ?兄ちゃん、欲しくねぇか?

If

...いりません

??

まぁこん中では...ア〇ンとかは、治療でも使われるし

??

”嫌なこと忘れられて
気が楽になるぜ?”

If

っ...

??

どうだ?欲しいだろ?

??

今回だけはタダでくれてやるよ

なんだよ...

前まで、こんな違法薬物、持ってたり使ったりするやつの気なんてしれなかったのに

If

...く...くださ...

警察官

そこ!何をしている!

??

ちっ...糞が...察かよ...!

そう言うと、名も知らない男は駆け出して行ってしまった

警察官

今、何してましたか

If

え...えと...

If

薬物の...取引を持ちかけられました...!

If

僕は...受け取ってないです!

警察官

えーじゃあちょっと荷物確認と、体内に成分がないか調べさせてもらいます

If

はい...どうぞ

運良く、俺の言いかけた了承の声は警察には聞こえていなかったみたいだ

そこから、意外と早く検査も終わり、解放された

If

(薬買う前でよかった...)

If

(普通に絶対この量の薬買ってるのも、バレたら怪しまれそうやしな...)

If

(てか...なんであんなん欲しくなったんや...)

If

(もう生きててもいい事ないな...)

ハッピーエンドを好まない作者が推しを病ませてみた

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コメント

22

ユーザー

好きだがバッドえんどで僕はだ丈夫だろうか…? あ!凄く面白かったです!

ユーザー

バットエンド…… なんか、リアルすぎて泣いた……

ユーザー

やばい、泣きそうになった。 病み大好きすぎる

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