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〜真冬 side〜

あの“白紙の本”を見つけた日から、 早1週間が過ぎた

今は、中心部にいる人達で 暗号の解析を進めているらしい

ノアさんからも何度か進捗報告を 聞いてるけど、まだ少し時間が かかるだろうって言ってた

ちなみにこの1週間で、 なるせ君は普通に魔法空間で 訓練をできるようになったんだ

“闇”の魔法は見たことがあったけど、 闇属性の魔法は、やっぱり少し違った

“闇”は黒く濁った攻撃だけど、 本物の闇魔法は、光みたいに 透き通った、綺麗な紫色をしていた

眼色も属性色と同じ紫で、 これは遥か昔からの、闇属性使いの 特徴のひとつだったらしい

訓練を始めて少しして、すぐに 無詠唱までできるようになって……

あ、そういえばなるせ君も、 「何となく感覚でやった」って、 天ちゃんみたいなことを言ってたっけ

天ちゃんは最強だからいいとしても、 なるせ君は魔法界使いの血を引いてる とはいえ、すごいと思った

翔太

じゃあ、今日の作戦を確認しておこう

今日は、7人全員で東京の とある場所に集まっていた

前の長崎に続いて、再び ノアさんから任務を課されたんだ

今回は長崎にいた闇使いが 東京に来るらしく、確実に倒す為に、 僕ら全員揃ってかかる

翔太

まず前衛は、僕とまふ君と坂田。そらるさんは中衛寄りの前衛。

翔太

96ちゃん、うらたさん、なるせ君は後衛で……

事前に決めていた作戦を、 もう一度みんなで確認し合う

主な指揮は天ちゃんにしてもらって、 浄化は、前衛の誰かが隙を突いてする

百瀬

うわぁ、なんかキンチョーしてきた……

そういやなるせちゃん、実戦ってしたことないっけ?

百瀬

元々固有武器ないから、戦ったこと全然ないんすよね……

あ〜、やっぱ固有武器ないのキツイよなぁ……

なるせ君には、今日は天ちゃんの 瞬間移動で東京に来てもらってる

今日は一緒に戦うって言うよりも、 闇属性の“感情操作(コントロール)”で 手助けしてもらう形なんだ

翔太

……っ!! みんな、来るよ!!

真冬

っ!

天ちゃんの声で、全員が身構える

レイ

……へぇ? 今回はかなり大人数だな。またノアの奴に任務でも取り付けられたのか?

その直後、何の音沙汰もなく、 突然僕らの前にレイが現れた

真冬

(僕らの気配を察知して来ない可能性も少なからずあったけど、ちゃんと現れた……!)

レイ

……ん? 見覚えがあると思ったら、なんだ。全員知ってる顔だな。

レイ

そこの赤髪とちっさい茶髪は、かなり前に戦ったな。その後お仲間の白髪が来たけど、無事に生きてたのか

お陰様であん時より強くなったわ! な、うらさん!!

あぁ! つかしれっとちっせぇとか言うなっ!!

真冬

あの時のこと、まだ許してないし、これから許す気もないよ。

真冬

僕らの仲間にしたこと、ちゃんと全部償ってもらうから

レイ

オレに勝てればの話だけどな。他4人がいたナガサキでも、オレはまだ本気を出してないんだ。

レイ

……そういえば、あの時いた金髪のお前、別のところでも見覚えがある……いや、気のせいか?

シャノン

っ……

レイに話しかけられた 96ちゃんの様子が、少しおかしい

怒りを抑えるように、 両手を握りしめて俯いている

長崎遠征で会うよりも前に、レイは 96ちゃんと会ったことがあるの?

シャノン

……貴方がしたことは、たとえ血の繋がりがあろうと、決して許されたことじゃない。

シャノン

…………1人残された“あの子”の気持ちも、少しは考えて欲しかった

最後にボソリと、少し悲しげな声で 言い放った96ちゃん

僕らは、レイが何者なのかも、 今まで何をしてきたのかも、 ほとんど何も知らない

でも、仲間を傷つけた奴に 容赦するほど、僕はもう甘くない

過去に天ちゃんのことがあってから、 友達だからって理由だけで、安易に 信じ過ぎることはしなくなった

うらさかが魔法空間に来た時もそう

本当は疑いなくなんてない、でも 疑わなきゃいけない、敵にならなきゃ いけない時があるって知った

自分の理想を貫くのが、 不可能な世界だって知ったんだ

僕達“魔法使い”は、“魔法”を得る 代わりに、その力で人を、 世界を守る役目を負う

自分の命が常に危険に晒されて、 人生すら賭けることになる世界

アニメや漫画の理想の世界みたいに、 綺麗事だけでは到底生きていけない これが、過酷な“現実世界”だ

レイ

……知らないな、そんなこと。

レイ

お前は知らない。オレの記憶にはない。オレが一番用があるのは、そいつだ

僅かに表情を歪めた後、 天ちゃんを指差したレイ

翔太

……

レイ

なぁ、もう一度聞くぞ、元“闇のトップ”。

レイ

お前は何故破壊をした? 何故あの事件を起こした?

レイ

あの時は答えてくれなかったが、今なら答えが出たんじゃないか?

翔太

……僕ももう一回言うよ。答えは『“自分”でも分からない』。

翔太

“僕”が加担してたのは事実。でも僕らは目的が違った。

翔太

それを何回自問したところで、答えてはくれないし、っ……

そこで、一度言葉を 詰まらせた天ちゃん

翔太

……もし、“俺”にどんな答えを渡されても、君に答える義理はない

レイ

そうか……残念だな。

レイ

お前が、今のオレを作ったのに

翔太

は……?

レイ

オレは昔から、平和ってものが嫌いだったんだよ。あんなぬるい世界に閉じ込められるのは、もう懲り懲りだった。

レイ

そんな時に、お前が起こした事件を目の当たりにしたんだ。

レイ

一目見て魅かれたよ、あの惨状には……!

レイ

見渡す限り戦場、四方八方で戦いが繰り広げられ、そこに“平和”なんて言葉は存在しない!

レイ

あれは、オレが憧れた昔の魔法界そのものだった!!

狂ったような笑みを浮かべて、 声を荒げながら話すレイ

真冬

(平和が、嫌い……?)

僕には全く理解ができない思想

平和の為に戦うはずの魔法使いが、 それを自ら壊そうとするなんて……

レイ

お前が魅せてくれたあの絶景を、オレはもう一度見たいと思ってるんだ。

レイ

なぁ、あの数の闇使いを従える膨大な力はどうしたんだ? 結界の破り方は??

レイ

元“闇のトップ”、お前のことも教えてくれよ! いつ闇堕ちした? 誰に“光堕ち”させられたんだ??

レイ

オレはお前に成る為に、新しい“闇のトップ”になる為に、地位も家族も全部捨ててあの檻から出てきたんだ!!

レイ

この広大な現世で、お前がやらなかったことをする! ここであの事件を引き起こす為に!!

翔太

……!!

彼方

なっ……!?

真冬

ここで、事件……!?

真冬

(そんなことしたら、無関係の人にも被害が……!!)

天ちゃんはそれを防ぐ為に 魔法界で起こしてたのに、 あれをこの現世で……!?

レイ

まず手始めに、この国で──

ヒュンッ

レイ

っ! チッ、危ないな。話途中に手出すなよ

真冬

(え……?)

もしかして今の、天ちゃんの “光矢(ライトアロウ)”……?

けど、いつも見るものより 明らかに速度と威力が大きい

真冬

(あの速さの攻撃を避けたレイも、相当強いけど……)

何で天ちゃんは、急に攻撃を……?

翔太?

っ……俺は、お前とは違う……!

真冬

……?

……あれ? 天ちゃん、今なんて……

翔太?

っ!!

えっ、天月!?

ちょっ、おい! 作戦は!?

突然天ちゃんが、作戦を無視して レイに向かって走り出す

手に持ってるのは、光月夜じゃなく、 “月光剣(ルアルソード)”だ

真冬

(それに、さっきの一人称もおかしかった……!!)

真冬

天ちゃん待って!!

キィンッ!!

急いで天ちゃんの前に立ち塞がって、 “月光剣(ルアルソード)”を 桃雪華で受ける

百瀬

えっ、な、何だ!?

つっきー……!?

彼方

っ……まさか……!

突然の出来事に、みんなが困惑してる

翔太?

っどいて……!!

真冬

天ちゃん落ち着いて! どうし──。

真冬

──っ!?

嫌な予感は、してたけど…… やっぱり、当たってた……!?

真冬

(でも、なんでまた……いや、今はそれより……!!)

真冬

っ、天ちゃん目覚まして!! 作戦は!? 今こんなことしてる場合じゃないでしょ!?

翔太?

っ……!!

僕が必死に呼びかけると、ようやく 剣に込める力が小さくなっていく

翔太

あれ……まふ君……?

真冬

えっ……?

翔太

僕、何して……あっ、そうだ、レイ!

真冬

あ、天ちゃん……?

まるで、さっきまでの記憶を 全て失ったかのように振る舞う彼

わざと……? それとも、 本当に何も覚えてないの……?

翔太

みんな、行くよ!
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