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そのまま、私の体は彼に引かれ

ベッドに倒される.

彼は私の両手首を押さえつけ

私に跨がるように覆い被さる.

佐久間 風雅

…どうして、

佐久間 風雅

お前が泣くんだよ

佐久間 風雅

泣きたいのはこっちだよ

そう怒っているような

泣きそうな顔で言う彼は

長い指で私の目元を乱暴に拭う.

矢口 莉愛

ごめん…ごめんね風雅

佐久間 風雅

…謝るな. 謝ったって

佐久間 風雅

許さねぇから

矢口 莉愛

風雅、ごめ

最後まで言うことができなかったのは

彼が私の唇を彼の同じそれで

塞いだから.

それは、どんどんと深くなる.

矢口 莉愛

…ふぅが?

唇を離れて、彼の名を呼べば

彼は ″ 莉愛 ″ と私の名を囁く.

佐久間 風雅

…俺のこと

佐久間 風雅

好きって言えよ.

そう言って私を見下ろす彼の目は

幼い子供が親にすがるような

そんなもので.

命令口調な筈なのに

それは懇願しているように見えた.

矢口 莉愛

…………

何も言わない私に、彼は

今にも泣きそうな顔で

私を強く睨みつける.

佐久間 風雅

言えよ、好きって.

佐久間 風雅

兄貴じゃなくて

佐久間 風雅

俺が好きって…

佐久間 風雅

頼むから……

矢口 莉愛

…………

それでも、何も言わずに私は

ただ彼から

目を反らすことしかできない.

そんな私に、彼は

舌打ちをひとつ溢すと

私の首元へ顔を埋める.

まるで噛み付くように口づけをして

私の体を荒く貪る.

息つく間もない程の彼の行為は

私に彼の想いすべてを

ぶつけているようだった.

矢口 莉愛

風雅っ、ちょっと…待っ

佐久間 風雅

…待たないっ

佐久間 風雅

お前なんか嫌いだ.

そう″ 嫌いだ ″ と何度も

譫言のように言っては私を啼かせる.

矢口 莉愛

ふぅが…ふぅがっ

堪らず彼の名を呼べば

佐久間 風雅

…りあっ

彼もまた、私の名前を呼んでいて

その声は身震いするほど

熱を持っていた.

意識を手放す、その時.

微かに聞こえた ″ 好きだ ″ なんて

きっと聞き間違えだと言い聞かせた.

目を覚ませば、そこには

氷の入った袋を私の腫れた瞼上に

乗せる彼がいた.

矢口 莉愛

……風雅

佐久間 風雅

…痛むか?

矢口 莉愛

ううん、平気

佐久間 風雅

…悪かった

そう言って、私の手を

氷袋へと持っていき私に持たせると

彼はベッドに背を

預けるように座った.

佐久間 風雅

…お前、もう来るな

矢口 莉愛

………いや

そう言えば、彼は私の方へ振り向く.

矢口 莉愛

って言ったら

矢口 莉愛

風雅はどうする?

そんな言葉に彼は眉を寄せて

溜め息を吐く.

佐久間 風雅

…お前は最低な女だな

佐久間 風雅

結局、兄貴まで

佐久間 風雅

裏切って…

矢口 莉愛

…うん

佐久間 風雅

好きでもない、

佐久間 風雅

俺に抱かれて. お前は…

佐久間 風雅

何がしたいんだよ

矢口 莉愛

…ごめんね

佐久間 風雅

お前は兄貴を俺に重ねて

佐久間 風雅

求めてきても.

佐久間 風雅

俺は俺で. 兄貴じゃない.

佐久間 風雅

兄貴は、もうここには

佐久間 風雅

いない……

″ 俺を好きになれよ ″

そう吐き捨てるように呟く

彼の背中は微かに震えていて.

そんな彼の背中を抱き締めたくて

延ばすことのできない代わりに

ぎゅっと氷袋を強く握った.

そして、私は彼をキズつける.

矢口 莉愛

私が好きなのは、

矢口 莉愛

拓実だよ.

佐久間 風雅

…やっぱり、お前は

佐久間 風雅

最低な女だよ

そう言って、久しぶりに彼は笑った.

その顔は拓実に似ているようで

やっぱり似ていないと思った.

佐久間 風雅

早く、帰れよ

彼のそんな言葉に

矢口 莉愛

わかってるよ

そう言って、私も笑った.

『 私が好きなのは拓実だよ. 』

その言葉の続きを

彼は一生、知らない.

でも愛しているのは

昔も今も、風雅なんだ.

end.

読んでくれて📖 ありがとです!!💨 ぜひ他のも 見てみてください!!😂

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