ディータ
……そろそろ動くか
ディータ
レックス、俺に透視をかけてくれ
ディータ
20秒
レックス
りょーかいだよ
ディータ
安全を確認次第目的地へ向かう
ディータ
ユカ、その後タイミングを取りターゲットへ向かえ
ユカ
承知しました
ディータ
続いて俺も行く
ディータ
ナム、シド、ルク
ディータ
3人はその時に捕虜の確保と問題があった際の対処
ナム
はい
ルク
分かりました
シド
分かりました
らっだぁ
俺らはどうすればいい?
ディータ
………このままここに残って貰えると俺はやりやすいんだが
ディータ
悲惨な光景を見たくなければ、残れ
グルッペン
だがなディータよ
ディータ
なんだ
グルッペン
確か見回りがいると言っていたな?
グルッペン
殲滅を目的とするのなら全員じゃないのか
ディータ
あぁ、確かにそうだ
ディータ
だが、戦意が見えないのなら放っておくに限る
ディータ
無駄な消費も犠牲も必要ないのでな
グルッペン
それが逃げ、だとしたら?
らっだぁ
えちょ、グルさん??
ディータ
………何が言いたい
グルッペン
本当にそれでいいのかと聞きたいんだ
グルッペン
今までの話を振り返っても、裏には大規模な組織が絡んでいるのは明白
グルッペン
もしこのような事が逃げた者によってその組織に流されたら、今回のような事が多々起こるのではないのか?
グルッペン
それについて、そちらはどう思う
ディータ
………向かってきたら返り討ちにするだけだ
グルッペン
あくまで実力行使というわけか
ディータ
それと
ディータ
ただの部外者が安易に口を挟められると本気で思っているのなら、そのよく回る舌を切ってもいいんだぞ
グルッペン
………くくっ……いいや、それは遠慮しておこう
グルッペン
まぁ今俺がどうこう言っても君には届くはずもないな
らっだぁ
グルさんマジで命取りなことするよねやめてくれ
グルッペン
君には言われたくないな
グルッペン
…さて、なら俺達はここに残るより避難を優先させようではないか
ユカ
避難指示はしっかり出来るんだね?
らっだぁ
元々俺達捕虜だけど?
グルッペン
人慣れしていない彼らよりは良いと思うんだがな
ディータ
………ならそうしてくれ
ディータ
そして避難させたら絶対にこのビルに入るな
ディータ
いいな
らっだぁ
勿論だよ、流石に君には逆らいたくないし
らっだぁ
今度何かしたら首が飛びそうだし……(ボソッ)
グルッペン
……そうだな
ナム
ボス、それなら俺達はどうしますか
ディータ
……正直こいつらの方が地形も通路もわかっている
ディータ
避難指示に関しても慣れていないお前たちでは難しいだろう
ディータ
なら、見回りの連中を任せる
ディータ
戦闘意思が無ければ放置、地下にいる3人と合流し待機
ディータ
分かったな?
ナム、ルク、シド))はい!!
レックス
主様、準備できたよ
ディータ
……頼む
レックス
了解
レックス
「clairvoyance」
ディータ
下の階、27階、32階に1人ずつ
ディータ
目的地の扉前に1人、中に2人と、捕虜
ディータ
シドの報告と合致
ディータ
……異常、無し
Go.
?
はーあ、早く来ないかなぁ
?
もう少し待て
?
………にしてもさぁ、死狐は兎も角君の使い魔もあの捕虜もまだじゃない?
?
そんな苦戦するっけ?
?
ここのビルは50階建てだ、そう簡単には見つかるわけないだろう
?
………しかし……確かに遅いな
?
ねね、もう1人ヤっちゃってもいい?
?
これ以上は面倒だからダメだと言ったはずだ
?
お前は聞く耳を持っていないのか
?
えーいいじゃん、減っちゃうけど支障はなくない?
?
それに逆らったらこうだって見せつけられるし
?
それはもう散々やっただろう
?
……じゃあ余興として!1人、どう?
?
………はぁ…1人だけだぞ
?
やったね〜
?
だーれーにーしーよーぉーかーなぁー!
捕虜
ひッ…ビク
捕虜
い、嫌だ嫌だいやだ…ッッ
?
………決めた、お前
捕虜
え……な、なん……ッ
?
いいから来いよ
捕虜
い、いや………嫌だ、助けてくれ!頼む!!
捕虜
俺には、俺には妻が居るんだ!!まだ死にたくないッ!!!
?
はぁ、うるさいなぁ……
?
いいや、さっさと殺しちゃお
捕虜
ひぃッ…!!やめてくれ!頼む…ッ、!
?
だからうるせぇって言ってんだろー…がッ!!
フッ…!!
バキッ!!
?
…は?
捕虜
……ぅ………え…?
ユカ
………お前か、愉快犯は
?
……!!
?
は……え、誰…?
?
っ、見張りは…ッ!?
ディータ
無論、始末した
?
!!?
ディータ
当たり前だろう
ディータ
敵は排除するべきなのだから
ディータ
だが、弱すぎるな
ディータ
あの程度では俺でもそこのユカでも、傷1つ付けられやしない
ディータ
我々を勝手に呼び出しておいて、その対応は間違いなのではないか?
?
我々…?……ッは、まさか…っ!!
?
かははっ………ようやく会えたなぁ、『死狐』!!!
ディータ
俺は会いたくなかったがな、犯罪者
グルッペン
皆こちらに来い!
らっだぁ
急いで!!
捕虜
グルッペン様だ…!
捕虜
グルッペン様ッ、ご無事だったのですね…ッあぁ良かった!!
グルッペン
あぁ、大事無い
グルッペン
それより早く避難しよう、皆外に出るのだ
?
ありゃ、逃げられちゃうよー?
?
あんなものはもうどうでもいい
?
お前はそこのやつを相手してやれ
?
えー、この白髪の?明らかにそっちより弱そうだし、俺強い方がいいんだけどー!
?
ごたごた言うな!さっさとやれ!!
?
………へーい
ユカ
………弱そう、だって?
?
あれ、違うの?
?
少なくともあっちの黒髪よりは弱いんじゃない?
ユカ
あぁ……確かに、私はディータより使い魔のレア度が圧倒的に違う
ユカ
けれど、あなたよりは強い
ユカ
あなたみたいな使い魔の力任せの奴は、脆いから
?
ふーん………この俺を煽ってくれちゃったね、お嬢さん
?
俺の名はバロ!!
バロ
命をかけた決闘を申し込む
バロ
良ければ最後になるんだし、名前教えてくんない?
ユカ
………私はユカ、あなたを葬る者
ユカ
ご覚悟願おう
バロ
それは嫌かな
シュッ…!!
ガンッ!!!!
?
大人しく着いてきてくれるとは、都合がいい
ディータ
あちらにいては巻きこまれてしまうからな……そうなれば聞くことも聞けないだけだ
?
そうだ、この際名を名乗ろう
セント
俺はセント、お前たち『死狐』を長い間待ち続けていたぞ!
ディータ
そうか、そらご苦労だったな
セント
俺はお前達を殺す、それだk_
ディータ
__なぁお前、使い魔の名前…覚えてるか
セント
…………は?
セント
あんな道具の名前なん……て………?
セント
…………使い、ま……ッ……
ディータ
………微かに記憶が残っているらしいな
ディータ
どれほど大事だったのか、それともあいつ自身が残した記憶なのか
ディータ
なんにせよ……こいつにかかった洗脳は易いものということだけだな
ディータ
こんな緩い洗脳、掛けてなんの意味も無い
ディータ
本当は正規の解除方法があるんだが……まぁ、いい
ディータ
こういうのは大抵、1度気絶させれば解除出来る
セント
………ぐ……ッ…ブンブン!
セント
小癪な真似をしてくれたな……ッ
ディータ
なんだ、邪魔なのか
ディータ
その記憶は
セント
あぁ、物凄くな
セント
今の俺には、必要ない!
セント
そうだ、必要ない……なのに、なんだ……なんなんだこの変な感覚は…ッッ!!!
ディータ
(“邪魔”、そう言ってはいるが…)
ドガンッ!!
セント
!!
ディータ
…………あいつらか
ディータ
(物はなるべく壊さないよう言ったんだがな…まぁ無理か)
ディータ
(彼女にとって久々の強敵だからな)
セント
あぁ、そうだ、今はこいつを殺さないと
セント
“あの方”からの、命令だ……
…ニッ
ディータ
ようやく尻尾を出したな…(ボソッ)
ディータ
…おい、あの方というのは誰のことだ
セント
お前を、1番よく思わない方だ
セント
知らないくていい、どうせ今からお前は死ぬんだからな
ディータ
………お前が、俺を、殺せると?
セント
やってみなくては分からないだろう!!
セント
さぁ、構えろ!!
ディータ
………はぁ……
ディータ
そちらがやる気なら良いだろう
ディータ
…後悔しても知らないぞ
セント
それはこちらのセリフだッ!!!
ディータ
…お前の人生で最大の負け試合にしてやろう