広い廊下を進み
大きな螺旋階段を2階に上がり
1番奥の教室の前で足を止める
ゼーデラ
サジー
サジー
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラ
サジー
サジー
ゼーデラ
相変わらず無表情のゼーデラは
サジーの方には顔を向けないまま
ゼーデラ
サジー
ゼーデラ
ゼーデラ
サジー
関わらない方がいい要注意人物
きっと、その2人がサジーの感じた 違和感の大きな要因だろう
目をつけられたら…どうなるのか
サジーはその意味をなんとなく察した
サジー
数年前の記憶が
フラッシュバックしそうになるのを
振り払うように頭を振る
サジー
サジー
ゼーデラ
サジー
サジー
ゼーデラ
ゼーデラは少し怪しげに首を傾げるが
すぐに教室の扉を開いて中に入る
ガララッ
教室に足を踏み入れると
クラス中の視線がサジーに注がれる
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラはぶっきらぼうに言い放つと
さっさと自席に座ってしまった
サジー
サジーは恐る恐る教団の近くに立つと
ゆっくりと教室を見渡した
皆、好きな服を着て
好きなオシャレをして
一人ひとりが個性的だった
サジー
「友達は期待しない方がいい」
ゼーデラの言葉が頭をよぎる
すると
教室の真ん中辺りの席に座った 派手めの少年が笑いだした
クスクスと他のクラスメイトも 笑っているようだった
サジー
ゼーデラ
ゼーデラは何も言わず 彼の言葉に微動だにしない
再びサジーに視線が集まる
そうだ、自己紹介するんだった!
サジーは改めて教室全体を見渡す
サジー
ゼーデラを笑う人
空気のように存在感を消す人
お天気のはずなのに、教室の中は 今にも降り出しそうなじめじめとした空気
2年8組がどんなクラスなのか サジーはわかった気がした
なんとかこのじめじめとした 空気だけでも…
サジー
サジー
目を閉じて大きく深呼吸
憧れの エンジェル・メロディのように
太陽の様な眩しい笑顔を
花のように咲かせて
快晴の空のように澄み切った 明るい声で…
…よし!
サジー
サジー
サジー
サジー
ゼーデラ
その瞬間
教室はしん、と静まり返り
淡い白色の小さな光の粒が
教室中に降り注いだ
……………ように見えた
サジー
サジー
ゼーデラ
ゼーデラが顔を上げ
先程の少年も黙ったままサジーを見つめる
クラスの中の誰もが その光景に驚いていたが
サジー
サジー
サジーだけがその状況に 気づいていなかった
サジー
サジー
ゼーデラ
呼ばれたゼーデラは まるで夢から覚めたように ハッとサジーの方を向く
ゼーデラ
ゼーデラ
後ろの席を指さす
窓際の席に座っている髪の長い少女の隣に
新しそうな机と椅子が用意されていた
多分、その隣に座っている少女が マリーニだろう
マリーニ
長く柔らかい茶色の髪に
木漏れ日に透かした新緑のような美しい瞳
サジー
お人形のように綺麗な彼女に サジーは目が離せなかった
その横顔に見惚れながら隣の席に座る
サジー
マリーニ
サジー
マリーニ
マリーニ
マリーニ
サジー
サジー
マリーニ
マリーニは1度もこちらを見ない
鬱陶しそうにため息を漏らす
「話しかけないで」と顔に書いてある ようだった
サジー
サジー
なんてサジーが思っていると
真っ赤な髪に真っ赤なドレス
華やかな少女が歩いてきた
サジー
サジー
するとその少女は目を細めて 意地悪い笑みを浮かべる
サジー
…またその話…
サジー
サジー
ため息混じりに「ふふ…」と笑うと
サジーに背中を向ける
ガミス
ガミス
サジー
何気なくマリーニの方を見ると
彼女は一切目を合わせないように 窓の外を見ていたが
口元に当てられた手は微かに震えていた
去り際、ガミスは一瞬振り返り そんなマリーニにわざと聞こえるように
ガミス
ガミス
ガミス
ガミス
ガミス
サジー
ハッと振り返ると ガミスが話しかけていたのは
先程、ぜーデラを笑っていた あの派手な少年だった
ダエル
ダエルは立ち上がるとサジーの前へ
ダエル
ダエル
サジー
ダエル
ダエル
サジー
ぐいぐいと止まらずに話すダエルに 少し引き気味になってしまうサジー
要注意人物と聞いているせいか どうしても構えてしまう
ダエル
ダエル
ダエル
ダエル
サジー
サジー
サジー
どうやり過ごそうか考えている所に 突然の提案
そんなヒソヒソ声があちこちから聞こえる
サジー
会ったばかりなのに彼女?
しかも5人目って………
サジーはどうしたらいいかわからず
ぽかんと口を開けて 暫く一点を見つめていたが
サジー
サジー
ダエル
ダエル
クラス中の視線が刺さる
その場にいる誰もが静かに サジーの言葉に耳を傾けていた
サジー
サジー
サジー
できるだけ傷つけないように
遠回しに伝えたつもりだった
……が
ダエル
ダエルはひどくショックを受けたようで
呆然とその場に立ち尽くしていた
ダエルのファンと思われる女子たちが 騒ぎ出す
目をつけられるのは怖い
でも、そうならない為に 好きでもない人と付き合うなんて…
サジー
サジーはキュッと口を結んで ダエルの言葉を待っていたが
ダエル
ダエルは黙ったまま
自席に戻っていった
ダエルの席の後ろ
ガミス
ガミスが一瞬こちらを睨んだ
…気がした
マリーニ
いつの間にかこちらを向いていた マリーニが呆れたように言う
サジー
サジー
サジー
サジー
サジー
サジー
マリーニ
マリーニ
マリーニがそう言いかけた時
オリヴィア
オリヴィア
扉が開き年配の女性が現れる
その途端あちらこちらで賑やかに 騒いでいたクラスメイトたちが
一斉に黙って自席に飛んでいく
オリヴィア
オリヴィア
オリヴィア
オリヴィア
オリヴィアはキッと鋭い目付きで サジーを睨む
オリヴィア
オリヴィア
それだけ言うと教室を出てしまった
サジー
サジー
サジー
サジー
サジーらきゅっと唇を噛む
サジー
サジー
サジー
サジー
オリヴィア
オリヴィア
オリヴィア
オリヴィア
オリヴィア
オリヴィア
つづく!
ここまでの キャラクター紹介
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