すとぷりマフィアパロ

僕は床に投げられた 急なものだったから危うく声が出てしまうところだった 人質だとしてももう少し丁重に扱って欲しいものだ

それにしてもここがこいつらの本拠地... 人と金が余るようにあるこいつらには 別の拠地があっても不思議じゃないか...

あきが助けに来てくらる前にここを出ないと みんなには危険なことをして欲しくない

『実験台』 それがなんの実験か判らなくても おぞましいことだけは解る 嫌だ実験台だけにはなりたくない 早くここから逃げ出す糸口を見つけないと

もっと丁重に扱えって言ってんだろ(^ω^#)

今そんな風にキレても無謀だ

でもアジトがバレてなければ 実験台にするも何も...

もう既にどっちもバレてるのかよ... じゃあどうしろってんだよ... 逃げても地獄 囚われてても地獄 どっちにはしろ地獄 こんなの生き地獄でしかないじゃん

『0529』 その番号がほんとに実験台に なったと実感させられる

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

何かの鳥のさえずりが聞こえて目が覚めた いつの間にか眠ってしまったみたいだ

見たらわかるだろうが どう見ても起きてんじゃん 座ってんだからさ

食べるわけないじゃん 何入ってるかも分からない 食べ物なんて

とは言っても昨日の夜は食べられてない上に 任務して身体を動かしたからお腹はすく､ 早くここから逃げないとほんとにﾀﾋぬな

うるさい 哀れむんだったらこっから出してよ 餓死するぐらい解ってんだよ

苛立っていると足音が聞こえた 音からすると僕を連れてきたやつかな

飯を持ってきたやつは 僕を連れてきたやつに怒られて どっかに去っていった 本当はもっとやれ!! と叫びたい所だったがそこはぐっと堪えた

『あそこ』 それは名案だきっと実験室のことを言っているんだろう その一言で頭が真っ白になった 次に頭に過ぎったのは 『恐怖』 ただ怖い､それだけだった

僕は恐怖に支配され 体は小刻みに震え出した

僕は必死に抵抗した 掴まれても逃げ出す方法は身につけていた でも恐怖に包まれてそんなことは忘れて 右肩を負傷しているにもかかわらず 僕よりもずっと体格のいい男に 僕は抵抗した

みぞおちをやられそうになったが 何とか身をひねって急所は外した でも威力は強い 意識を飛ばすまでには至らないが 脳みそが揺れているのか､ 視界が少しぼやけてフラフラする

とうとうこの部屋まで来てしまった 僕は担がれて無理やり連れてこられたこの部屋に、

向こうで何か言っている でも僕には何も聞こえない 聴きたくない

今からでもこいつらを 全員1人残らずぶっ飛ばして 家に帰ろうか みんなの元に『ただいま』 なんて冗談混じりで言ってみようか

僕に縛ってある縄を解いてここを滅茶苦茶にして帰ろうか

ﾌﾟｽｯ

でもそれは今から

叶わなくなる

でもこれはただの悪夢だという 薄い､薄い希望の光に縋って 意識を手放す