仁
…………

杖道
はぁ…はぁ……仁、急にどうしたんだ?

杖道
みんなと逸れてしまったではないか

仁
知るか、他のやつのことなんか

仁
それよりさっきの場所からここまでに瑠衣の指紋があった

仁
それも新しい……大体30分前のものだろう

杖道
だとしたら瑠衣はここにきた、ということか?

仁
いや、おそらくこれは……

仁
罠だ

ははッ…よ〜く分かってんじゃん♪

仁
ッ…‼︎

杖道
これは……氷塊か?

杖道
いや、それより瑠衣はどこだ?さっきの声は瑠衣だろ?

ここだよおっさん、う〜え

ルイ
よっと……スタッ

パルクールとしての実力を持つ瑠衣は約2階の高さから落ちても受け身を取ることなんか容易い
瑠衣は好奇の目で、仁に勝負を挑んでいるかのような顔で2人をじろっと見ていた
仁
この氷はなんだ、お前が出したのか?

ルイ
そうそう、これが能力ってやつの力なんだぜ?

ルイ
お前らと一緒にいた時はお試し感覚で未来予知、過去閲覧ができたんだけど……

ルイ
今はこの能力がちょうどいいってなって、んでこうなった

杖道
つまり瑠衣は今氷などを操ることができるということか?

ルイ
半分正解、半分不正解って感じだな

ルイ
確かに俺は氷を操ることができる

ルイ
でもずっとそこに置いてあったら邪魔だろ?攻撃もできないし

ルイ
だから……ボッ

瑠衣は自分の腕や手から炎を出し、先ほど放った氷にそれを被せた
ルイ
氷炭相愛って聞いたことがあるか?

杖道
まったく性格の異なる者が互いに愛し合うこと、相反する性質のものが作用し合って助け合うことを指す四字熟語……だったか?

ルイ
そうそう

ルイ
氷と炎はお互いを打ち消す……でもどちらかだけの存在ではこの世の秩序は保たれない

ルイ
氷と炎、そして能力の器を持つ人の3つのバランスが黄金比になっていなくちゃ能力や異能は力を最大限発揮できねぇ

ルイ
氷炭相愛、これが俺の能力であり

ルイ
俺の中の絶対的な力、すなわち黄金比だ

ルイ
……今日こそはお前を倒す

ルイ
そしてこの力で、ネストを壊す

ルイ
それがすみれへの……みんなへの恩返しだ

仁
何ふざけたことを言っているんだ、早くもどっt…

ルイ
んなのするわけないだろ

ルイ
俺はお前に勝ちたい、ただそれだけだ

仁
くそッ…話を聞けるような状況じゃねぇな

仁
こうなったら無理矢理にでも連れて帰ってやる

ルイ
連れて帰る?はッ…何言ってるんだよ

ルイ
俺は自ら望んでここにいる

ルイ
事務所にいた時よりも、ずっと……

杖道
……それは瑠衣の本心なのか?

ルイ
当たり前だろ?

ルイ
ってことで始めようぜ

ルイ
今日でお前に下に見られる日も、終わりだ

仁
はぁ……ったく、面倒なことに巻き込まれやがって

杖道
それにしてもどうする?瑠衣は炎と水を操ることができる異能を持っている

仁
知るか、そんなもんあってもいつもと変わらねぇだろ

ルイ
そりゃどうだろう……なッ‼︎

仁
おっさん、この氷には絶対に触れるな

仁
この氷……おそらくただの氷じゃねぇ

杖道
わかった

間一髪、仁たちがいた場所に氷の渦のようなものができた
ルイ
あぁ〜もう‼︎なんで避けんだよ‼︎

仁
これで避けないほとバカじゃねぇ

ルイ
……ほんとムカつく

ルイ
じゃあこれならどうだッ…‼︎ブワッ

瑠衣は床に手をつけ、そしてそこから炎の渦のようなものを生み出した
仁
お前、渦巻しか出せねぇのか?

仁
宝の持ち腐れだな

ルイ
うっせ〜‼︎‼︎

杖道
……本当に瑠衣は洗脳されているのか?

杖道
反応的には今まで通りに見えるが

仁
…………

仁
異能には何かしらの代償が必要となる

杖道
代償……脳への負担か

仁
あぁ

仁
俺のは恵美まどかや皇千トとは違ってあまり脳への負担はない

仁
異能が強ければ強いほど、長時間使うほど脳への負担は大きくなる

仁
あいつの異能は俺とは違って生まれつきじゃねぇ……が

仁
何かしらの公約や条件、そして代償があるはずだ

仁
あれは瑠衣であって、瑠衣じゃねぇ

仁
だたの偽物だ

ルイ
はぁ……戦闘中にお喋りか?

ルイ
ほんと、舐められたもんだぜ

ルイ
でもやっぱすげぇや、そこまで見破れるなんてさ

ルイ
まぁそれがわかった時点で何になるんだって話だけどよ

ルイ
どうせお前らは俺に倒される運命なんだから

杖道
……すまん仁、私が間違っていたようだ

杖道
瑠衣はこんなことを言うような人じゃない

杖道
瑠衣の姿をした、別の何かだ

ルイ
だから‼︎俺は物怪瑠衣だって言ってるだろ⁉︎

ルイ
あぁもう……とっとと終わらせてやる

ルイ
これがすみれの為だから……
