02 不思議な少女
べる
またこんな所にいたんだ。
私・べるは不思議な少女を見つけてつぶやく。
ななっしー
あ、べるじゃん。どしたの?
誰もいないような古い神社の木の上に一人。
桃色の髪、ビイドロのような瞳、花柄の浴衣をした少女、七志ことななっしーが振り返る。
べる
どうしたのじゃないよ!探し回ったんだから!
不満げに言うと「ごめんごめんw」と笑ったように返してきた。
ななっしーはいつだって神出鬼没だ。
どこを探しても見つからなかったり。
逆に自分から会いに来たり。
ななっしーとは今年の秋頃初めて会ったが、不思議な少女だった。
いつも同じ浴衣を来て楽しそうにしている。
私には何が楽しいのかさっぱりだ。
それに冬も寒そうにしない。
ななっしー
ところでべるは今日好きな人に会ってきたの?
人気のない神社にななっしーの声が響く。
茶化すようにいたずらっぽい笑みを浮かべてななっしーは笑う。
っ~!!なんだあいつ!
べる
そうだけど!そうだけど何ですか!?
私が逆ギレのように言うとななっしーは再び笑う。
夏だからまだ明るい日差しが神社に差し込んでいた。
ななっしーを捜すのに時間使っちゃったから早く帰らないと__
べる
私そろそろ帰るよ。
その言葉に「そっか」とだけ帰ってきて、また何もない所を見つめて笑い出す。
べる
じゃあまた明日ね。
その言葉に返事はなくて。
ななっしー
気を付けてかえりなよ~
本心なのか分からない返事が帰ってくるだけだった。
先生
いつもありがとう。
さぁーもん
いえいえ。大丈夫ですよ。
呆れた。自分自身に。
俺はまだこんなことをしているのか。
小さな音を立てる時計は6時を指していた。
さぁーもん
やばっ__
それは五時半の“彼女”との約束をしっかり過ぎていた。
??
何がやばいの?
桃色の髪、ビイドロのような瞳、花柄の浴衣をした少女。
振り返ると、いないはずの彼女がそこにたっていた。







