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土曜七時のアスター

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土曜七時のアスター

1 - 土曜七時のアスター «前編»

♥

202

2020年05月31日

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明日香

いやっ……!

明日香

いやぁぁぁぁあああああ!

誰か…

助けてっ…!

誰かっ…!!

明日香

はぁ…

明日香

明日香

今日も外へ出られなかった…。

あの日以来、

私はほとんど

外へ出ていない。

窓も

カーテンも

心も

全て閉め切ったままだ。

明日香

このままじゃいけないのに…ね。

明日香

前へ進まなくちゃ、

明日香

そう思うのに、、

断片的な記憶が

"何か"に対する恐怖心が

邪魔をする。

チクッ

タクッ

チクッ

タクッ

チクッ

明日香

…はっ!

明日香

明日香

はぁ……。

時計の針は無機質だ。

メトロノームのように

規則正しく

一定のリズムを刻んでいる。

明日香

もう19時か…。

明日香

今日って何曜日だっけ?

明日香

明日香

土曜日か~。

一人きりで会話をするのも

なかなかに堪えるものがある。

明日香

もう こんな日常嫌だよ、、

明日香

何か良いことでも起きないかな~。

その時だった。

プルルルル…プルルルル…

明日香

明日香

え?

明日香

電話なんて珍しいなぁ…

明日香

番号は…?

明日香

明日香

知らない人、、

明日香

怖い、けど…

これ以上一人でいるのは嫌だ!

ピッ

明日香

あ、えっと…

明日香

もしもし…

もしもし!

突然のお電話すみません。

カワハタさんのお宅でお間違えないでしょうか?

かわ、、はた…?

あぁ…これ

間違い電話だ。

明日香

すみませんが、

明日香

こちらは佐竹でこざいます。

ええっ!

てことは間違い電話ですね…

こんなことに時間を取らせてしまい、

本当に申し訳ありませんでした💦

明日香

いえいえ、そんな!

明日香

今すごく暇だったので笑

あ、

そうだったんですね!

それは良かっ…た?です!

明日香

ふふふっ

笑笑

明日香

あ、すみません!

明日香

そろそろカワハタさんにご連絡された方が宜しいかと、、

あ、そうですね!

今日は突然のお電話本当にすみませんでした。

以後気をつけます。

明日香

は、はい!

それではさようなら!

明日香

はい、さよう…なら!

プツッ

ツー

ツー

ツー

・・・​───────。

明日香

なんだか、、

明日香

誠実そうな人だったなぁ。

ピンポーン

明日香

ん…?誰だろう?

恐る恐るインターホンを見ると

そこには

和真の両親が立っていた。

明日香

(また来てくれたんだ!有難いなぁ。)

明日香

はーい!

ガチャッ

和真の母

突然来ちゃってごめんね~。

明日香

いえいえそんな!

明日香

すごく有難いです!

和真の母

そう?‪w

和真の母

ありがとう~!

和真の母

ではでは、お邪魔するね!

和真の父

お邪魔します!

二人は、重そうなビニール袋を

4袋も

持ってきてくれている。

外出が困難な私のために、定期的に。

中に入っているのは

主に

食料や生活必需品、

消耗品などだ。

明日香

こんなに沢山、、

明日香

いつもすみません💦

明日香

本当にありがとうございます!

和真の母

いいのよっ。

和真の父

あぁ…

和真の父

うちの和真がご迷惑をお掛けして

和真の父

本当に申し訳ない。

明日香

ちょっとちょっとっ!

明日香

何言ってるんですか!

明日香

幼い頃に両親を亡くした私がここまで大きくなれたのは

明日香

和真と、和真のお父さんお母さんのおかげなんですよ~?

和真の母

和真の父

和真の母

あの頃は、楽しかったわね…。

和真の父

あぁ、そう…だな。

空気が澱んでいく。

明日香

(しまった、、)

幼なじみの和真は

私が事件に巻き込まれた日から

行方不明だから…。

当時のことはよく思い出せないけれど、

きっと

明日香

(私が和真を)

奪ってしまったんだと思う。

明日香

和真は絶対に帰ってきますよ!

明日香

ねっ!!

和真の母

え、ええ!

和真の母

そうねっ!!

和真の父

あぁ!

明日香

ではではお茶入れますね!

明日香

ちょっと待っててくださ…

和真の母

あ、ごめんね~。

和真の母

今日はもう遅いし遠慮しとくわ。

明日香

ゆーてまだ8時、、

和真の父

もう8時、だろう。

和真の父

お気遣いありがとうな。

和真の母

ありがとうね。

和真の父

んじゃあおやすみ。

明日香

あ、はーい!

​───ガチャンッ

明日香

素っ気ないなぁ…

明日香

昔は毎日一緒に過ごしてたのに、、

明日香

でも、私が悪いんだよね。

明日香

私のせいで、和真は……

和真は……

明日香

お父さんとお母さんのカラ元気からして

明日香

きっとそうだと思うんだよね…。

明日香

和真には、今まで何度も助けられてきたしなぁ…

「それでいて、何も返せなかった。」

「私のせいで 和真は……」

そんな罪悪感に

苛まれる夜もある。

あれから何日経っただろうか?

チクッ

タクッ

チクッ

タクッ

やっぱり、

時計の針は無機質なままで

私は今日も

外へ出られないままで。

明日香

何も変わらない…。

その時だった。

プルルルル…プルルルル…

明日香

電話…?

明日香

まさかあの時の、、

少し期待しながら電話を取った。

ピッ

明日香

えっと…もしも、し…?

もしもし!

佐竹さんのお宅でお間違えないでしょうか?

明日香

ええっ、あっ、はい、、

この声は…

突然のお電話すみません!

先週の土曜日に、間違い電話を掛けてしまった者です。

明日香

ですよねっ‪

え、気付いてたんですか?

明日香

はい笑

明日香

声とか、雰囲気で!

あぁ~!

たしかにそれはわかりますね笑

明日香

はい‪笑

明日香

本日は、どういったご要件で?

ご要件というほどでもないのですが

先週佐竹さんとお話した時に、ビビっときてしまって‪‪笑

もっと知りたい と思いました。

明日香

ええっ!そうなんですか!

明日香

実は、私もそうで‪笑

えー!

それは奇遇ですね‪笑

明日香

ですねっ‪笑

ふとカレンダーを見てみると、

今日は土曜日だ。

そして、

時計の針は 当然の如く

19時を指していた。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

.....なんか深いんだろうなぁって言うのは分かる(((

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