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他界へ送れるポストに
手紙を入れてから1週間たった
菜乃花
椅子に座りながら外を眺めた
菜乃花
菜乃花
え…?死神…?
ピンポーン
誰もいない家に
インターホンの音が鳴り響く
菜乃花
心臓の音が大きくなる
菜乃花
死神
菜乃花
死神
黒い封筒をもらった
あの時と同じ人────
この人は 私を覚えているのか…な
死神
死神
死神
菜乃花
死神
死神
死神
死神
菜乃花
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
菜乃花
菜乃花
死神
菜乃花
黒い封筒に
白い文字で
菜乃花へ
と書いてある
『今 生きてる君へ』
菜乃花
一緒にいられなくて
ごめん
ごめんな
もっと…隣にいたかった
菜乃花は
あの日から
毎日のように
泣き叫んだよな
俺も
他界についたとき
泣き叫んだよ
まだ死にたくなかった
もっと菜乃花の隣にいたかった
菜乃花に
自分の気持ちを伝えたかった
『 好きだ』って
ごめんな
俺も今泣いてる
人のこと言えないよな
かっこ悪いな
“泣き虫”
菜乃花だけじゃなくて
俺も
“泣き虫”
だよな
菜乃花
最後に
もう会えないけど
悲しい時
辛い時
泣きたくなったら
夢の中で
また会おう
じゃあ
またな
『 またな』
のとこだけ
涙でにじんでる
菜乃花
菜乃花
そう言ってる
私も
涙が溢れてる
信じられなくて
でも
颯と会話ができて
うれしい
でも
あの日のことを思い出す
菜乃花
菜乃花
あの日
颯が死んでしまった日
颯
菜乃花
颯
菜乃花
颯
菜乃花
颯
颯
菜乃花
颯
颯
菜乃花
菜乃花
菜乃花
颯
最高のクリスマスの思い出
颯
菜乃花
颯と唇が重なる
2人で
深く…甘いキスを
菜乃花
菜乃花
颯
颯
菜乃花
もう少しここにいれば良かった
曲がり角の道
ライトが無い道
トラックが近づいてくる
何も気づかないトラックが
颯
菜乃花
颯
ライトが無い道で
辺りの音が一気に
なくなる────
菜乃花
菜乃花
コンクリートに血が滲む
菜乃花
一瞬でわからなかった
でも
颯は私のことを守ってくれた
颯は
私のことを守ってせいで
若い命を
おとした