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颯から手紙をもらって
私は
また手紙を書くことにした
でも
書くことが思いつかない
────ただ 颯と会話したいだけ
あの時に使った
レターセットが
まだ残ってる
颯へ
手紙…届いたよ
ありがとう
本当に
届くなんて信じてなかった
颯の手紙が届いたとき
半分は驚いたけど
半分は嬉しかった
本当だったら
“他界へ送れるポスト”とか
“死神”って
信じられないけど
颯の字を見たとき
本当だと信じた
心の底は今穴が空いてる
でも
颯が元気づけてくれて
私の穴は塞がってきた
ありがとう
ありがとう
ほんとにありがとう
また手紙送るね
菜乃花より
不思議と涙はでてこなかった
ちがう
ちがうんだ
私は颯に背中を押されて
涙が出なかった
まだ塞がってきた穴は
完璧に塞がるわけではない
まだ悲しい
颯に会いたい
けど私は
なか…ないんだ…
手紙を書いてから
1ヶ月ほどたった
今日
ポストがあるか確認する
菜乃花
菜乃花
菜乃花
菜乃花
私が裏道を出たとき
同じクラスの
あさひ
に会った
朝陽
朝陽
菜乃花
菜乃花
朝陽
朝陽
菜乃花
朝陽
菜乃花
菜乃花
私は颯が亡くなった日から
クラスの男子と あまり話さなくなった
朝陽
菜乃花
朝陽
朝陽
菜乃花
“はやて”
その3文字を聞くだけで
心が痛い
朝陽
菜乃花
朝陽
菜乃花
菜乃花
菜乃花
聞きたくない
けど 聞きたかった
朝陽
朝陽
菜乃花
菜乃花
菜乃花
朝陽
朝陽
菜乃花
朝陽
朝陽
菜乃花
颯と朝陽は仲が良かった
なのに なんでそんなこと聞くの…
先生
先生
颯
先生
この席…気に入ってたのに
陽菜
陽菜
菜乃花
陽菜は颯が
いなくなった日から
私のことを励ましてくれた
陽菜は
「颯が亡くなった日から菜乃花変わっちゃったね」
と言って私を
心配してくれた
『6』
窓際の席
落ち着く よかった
陽菜
菜乃花
陽菜
菜乃花
菜乃花
菜乃花
陽菜
陽菜
机と椅子を引きずる音が鳴り響く
菜乃花
朝陽
朝陽
菜乃花
朝陽
朝陽は優しいけど
しつこい女子には態度は冷たい
わかりやすい人だ
愛菜
朝陽
朝陽
朝陽が座ってる席は
颯が座ってた席だ
朝陽
菜乃花
朝陽とは
あまり話さなかった
だけど隣になってから
話すと…落ち着く
でも話してると
後ろからの視線が怖い
愛菜
愛菜
愛菜
菜乃花
菜乃花
朝陽
菜乃花
朝陽
朝陽
私は1人も居ない教室で
窓際の席に座って
先生を待った────
机が叩かれる激しい音がなった
愛菜
菜乃花
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
菜乃花
菜乃花
菜乃花
愛菜
菜乃花
愛菜
愛菜は私の目の前で
見たことない
姿を見せた
椅子が倒れる音がした────
朝陽
朝陽
朝陽
愛菜
愛菜
朝陽
朝陽
朝陽
朝陽
愛菜は走って教室を出た
朝陽
朝陽
菜乃花
涙がとまらない
とまらないよ
朝陽
菜乃花
颯がいたら
“泣き虫” って言われたかな
朝陽
菜乃花
菜乃花
朝陽
“泣くなって”
颯と言ってることが同じ
朝陽が颯に思えてくる…
朝陽
菜乃花
朝陽
菜乃花
朝陽
朝陽
朝陽
菜乃花
菜乃花
菜乃花
菜乃花
菜乃花
菜乃花
朝陽
朝陽
朝陽
朝陽
朝陽
菜乃花
菜乃花
朝陽
朝陽
朝陽
朝陽
たくさん泣いた
朝陽は何も言わないで
大きい手で
優しく撫でてくれた
颯と同じ
安心して
“泣き虫”って言ってくれて
優しく撫でてくれて
“好き” になったら
どうすればいいの
颯…教えて