なを
貴方は…
李音
コトハ…様
コトハ
はぁ、やっと…見つけました。
なを
私になにか
コトハ
はい。貴女に伝えなくてはならない事がありました。
なを
何を?
コトハ
貴女は、混血でした。
なを
混血?
李音
混血って「ハーフ」のことですよね。
コトハ
はい。貴方は天使と人間の混血だったんです。
なを
……え?
李音
て、天使って人間と結婚出来ないんじゃ。しかも対面できるのだって人生に一度あるかどうか。
コトハ
はい。私は元天使族でした。だから違和感を感じたんです。李音には感じなかった違和感を。
コトハ
なをさんが住人なのは間違いありません。ですが、私のように元天使族は『耳』が違うんです。
李音
耳?
なを
なんで耳?
コトハ
私と李音のを比べてみてください。
李音
どう…なんだ?
なを
あ、李音?さんのは丸いのにコトハ?さんのは角がとがってる。
なを
これが違和感?でも私のは
コトハ
はい。まだ貴女は覚醒していないからでしょう。
李音
俺は普通に住人だから丸いのか…
コトハ
全てを思い出してください…。壊したものを戻せるのは貴女なんです。
なを
私が幻想世界を?
李音
…!まずい。
ガコンッ!
コトハ
!時間が…
なを
え?今天井が、
コトハ
『時』を『時間』を操って!
なを
え!
コトハ
貴女なら出来ます!
なを
っは!
汗だくになってまで何を見ていたのだろう。
昔、見たことがあるような人達
なを
(そう、そうだった)
なを
私は『昔』から、記憶力がいいんだ。
だんだん蘇ってくる
小さい頃に両親を亡くしたこと。
それから親戚の家を転々として勉強を頑張っていたこと。
大切な友達がいたこと。
なを
そうだ、みんな…そうだった
鈴葉…李音…
なを
(ごめん、鈴葉。)
なを
今、元に戻しに行く。
私は大急ぎで布団から出て私服に着替える。
なを
あの時の李音の様に…
両手を縦に重ねる。
念を込めて手を球を描く様に開く
なを
っ…!
するとぼんやりとした光が出てくる。
なを
!鏡に…
自分の横にある全身鏡に光が入ってゆく。
なを
!これは…
なを
なを
幻想世界…!