三日前 お母さんが亡くなった。
正確に言うと殺害された。 という方が正しい。
いや、 私に殺された。
人々
人々
人々
お葬式。 来客者の声が聞こえてくる。
私は、半年前の出来事を思い出す。
彼氏(さとし)
2年半付き合った彼氏にプロポーズされた。
私(かな)
彼氏(さとし)
かながいい!
私(かな)
私は大きく頷き笑顔でそう答えた。
この出来事が始まりだった。
私(かな)
私は機嫌よく帰宅した。
弟(けん)
お母さん
弟(けん)
私(かな)
私(かな)
私(かな)
弟(けん)
私(かな)
その時だった。
お母さん
お母さん
絶対にダメ。
母は、小さくそう言った。
私(かな)
お母さん
借金を背負ってる人なんかと結婚させるなんて無理に決まってる。
私(かな)
サトシは200万ほどの借金を抱えてる。 もともと、研究員だったサトシ。 ある、研究に失敗し研究員をクビになりさらに借金まで抱えてしまった。
お母さん
お母さん
私(かな)
お母さん
絶対に許さないから。
お母さん
それくらい言うこと聞きなさい!
父は私が生まれる少し前に父は交通事故で他界していた。
お母さん
私(かな)
もういいし!!
その日から私は家に帰ると直ぐに自分の部屋に入り、 母を避けるようになった。
それから三日後だった。
彼氏(さとし)
電話でそう言われさとしの家に向かった。
彼氏(さとし)
私(かな)
何それ。
私(かな)
彼氏(さとし)
私(かな)
別れたくない!
彼氏(さとし)
でも、お前はかなを不幸にするって言われて。
大丈夫かな、俺で
私(かな)
彼氏(さとし)
彼氏(さとし)
私(かな)
この時母に対する殺意が芽生えた。
私(かな)
彼氏(さとし)
私(かな)
あなた、もと研究員でしょ?
彼氏(さとし)
私(かな)
彼氏(さとし)
私(かな)
保険金を掛けて殺すわ。
私(かな)
私達は結婚。
幸せでしょ?
彼氏(さとし)
私(かな)
私(かな)
私(かな)
彼氏(さとし)
明日持ってくるよ。
私(かな)
次の日、私は彼から毒を受け取った。 毎日少しずつ飲ませると約半年くらいで自然に心臓発作を起こせるらしい。
私は、毎日母の朝飲むコーヒーにそれを少量入れていた。
それ以外にも私はとても狂っていた。 藁人形を作ったり、 リスカもした。
私(かな)
なにが、あなたのことを思っている!
よ。
何も考えてないくせに。
私は母を憎んでた。
弟(けん)
けんに、横っ腹をつつかれふと我に帰る。
弟(けん)
とりあえずもう少しで葬式が始まるよ、
私(かな)
そして、三日前についに母が倒れたのだ。
とりあえずは昨日さとしの借金を返せて久しぶりに母に感謝している。
弟(けん)
姉ちゃんペンギンって知ってる?
私(かな)
弟(けん)
私(かな)
弟(けん)
弟(けん)
私(かな)
2週間前ほどに母が買ってきたペンギンの人形だろうか。 なぜ、母がペンギンの人形を買ってきたのかは謎だ。
私(かな)
弟(けん)
私は小さく頷きトイレに向かった。
私(かな)
私(かな)
私は、ググールでペンギンについて調べてみた。 そこにはこう書かれていた。
ペンギンには、ある習性がある。 それは育てて貰った親などを崖から突き落とし殺してしまうという習性だ。 理由は定かではないが、 恐らく ストレスだろうと言われている。
私(かな)
耳元で、 「あなたの事を思っているのよ」 と聞こえた気がした。
田中太郎
田中太郎
田中太郎