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ゆーや
ゆーやは、ひとり歩いています
親はいません
ひさしぶりのお外に、ゆーやはうきうきしています
ゆーや
ゆーやは何かを見つけました
それは、ぼろぼろになった本でした
ゆーやはそっと本をてにとりました
そして宝物のように胸に抱きました
ゆーや
ゆーやはご機嫌です
そのまま公園へと向かいました
ゆーや
ゆーやは公園に着きました
誰にも道を聞かずに、ひとりで着けました
ゆーやは誇らしくなりました
ゆーや
早速、お目当てのブランコに乗りました
今公園にはゆーや以外、誰もいません
ここはゆーやの王国でした
ゆーや
しかし、ゆーやは気づきました
自身の足が宙にぶら下がっていることにです
これではブランコを楽しめません
ゆーや
ゆーやは仕方なくブランコを降りました
ゆーや
先程までの機嫌はどこへやら
ゆーやはすっかり落ち込んでしまいました
ゆーや
公園へ来るのはもうこれでさいごなのです
ゆーやは頭を使って考えます
ゆーや
ゆーやは名案が思い付きました
ゆーやは、ブランコに向かって走ります
ゆーや
そしてブランコの座面に座るようにジャンプしました
ゆーや
しかし、着地は失敗
ゆーやは、地面に頭を打ってしまいました
ゆーや
ゆーやは、あまりの痛さになきたくなりました
でも、ゆーやはなきませんでした
なけませんでした
ゆーや
幸い、頭から血は出ていないようです
ゆーやは、頭をさすりながら、別の目的地に向かいました
ゆーや
ゆーやは、喫茶店に着きました
昔、親と行った思い出の喫茶店です
ゆーや
頑張ってドアを開けると、チリンチリンと音が鳴りました
ゆーや
すると、店の中から女性が出てきました
店員
女性はゆーやに何かを聞いているようでした
ゆーや
店員
また、女性はゆーやに何かを聞いている
ゆーや
ゆーやは女性に背を向けて走りました
店員
女性の声は聞こえず、ゆーやはまた、別の目的地に向かいました
ゆーや
ゆーやは、本を落としてしまったことに気づきました
公園か、喫茶店か、ゆーやはもう分かりません
ゆーや
ゆーやは落ち込みながら、近くとなった目的地に向かいました
ゆーや
ゆーやは、学校へと着きました
ゆーや
昔一度行ったきりだった学校を眺め
ゆーや
ゆーやは涙を流しました
しかし、なけはしませんでした
ゆーや
ゆーやは大人になれません
体も心も、学校にいるべき子供のままでした
ゆーや
ゆーやはさいごの目的地へと向かいます
周りは静かでした
ゆーや
ゆーやは、目的地へと着きました
木々が生い茂っています
枝枝が色んな場所へとのびています
ゆーやは、その中の一枝に向かいます
それはとても太い枝でした
ゆーや
ポケットにあるロープを、枝にぐるぐると巻き付けます
ロープは普通のものより小さく短いです
しかし、ゆーやの小さな首と太い枝をくくりつけるには十分でした
ゆーや
ここまできていても、ゆーやは哭けませんでした
ただ涙を流し、口をパクパクと動かすだけです
ゆーや
ゆーやの口から漏れでる息が、音をつくりました
ゆーや
ゆーやは、聞こえないはずの、自身の声が聞こえた気がしました
ゆーや
ゆーやは動きません
動けません
ぶーらぶらと、ゆーやの小さな足が宙に垂れ下がっていました
涙が一滴、草の葉に当たり、揺れました