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あれからどれくらい経ったのか
衰弱していた私の入院は長期に渡り
それでも食事をすることはできず
体を動かすこともできなかった
常に栄養の点滴に繋がれた状態で
美結
罵倒し罵られても
まだ母のことを信じていた私は
ほぼ毎日のように来てくれたいっちゃんに
美結
そう問いかけ続けた
いっちゃんは必ず
郁美
と言って励ましてくれていた
本当はきっと
母に対しての相当な怒りがあったはずだが
私には決してそれを見せず
いつも優しく接してくれた
こんなことになるまでずっと
父方の親戚との交流は一切なかったため
優しくしてくれるいっちゃんのことも
"知らないお姉さん"と言う認識をしていた
電車でも結構な距離を毎日通ってくれて
週末にはたっくんも来てくれて
たっくんが父の兄だと言う説明も受けたが
父の記憶そのものがほぼなかったため
たっくんのことも"知らないオジサン"と言う認識だった
最初は戸惑いこそあったものの
献身的に看病してくれるいっちゃんと
優しく語りかけてくれるたっくんに
いつしか心を開くようになっていた
その間に母方の親戚も様子を見に来たが
その人達の顔を見た瞬間
優香里
母の言葉が頭を過り
美結
美結
一種の錯乱状態に陥ってしまった
鎮静剤でなんとか落ち着いたが
郁美
優香里の伯父
優香里の叔母
郁美
優香里の伯父
郁美
郁美
優香里の伯父
優香里の叔母
郁美
郁美
郁美
郁美
郁美
郁美
優香里の伯父
郁美
静かに淡々と怒りを込めたいっちゃんの言葉に
親戚達は反論することができず
決して納得はしていなかったと思うけれど
何も言わずに帰っていった
病室に戻ってきたいっちゃんは
いつもと同じ笑顔で
郁美
眠っている私に語りかけてくれていて
偶然かもしれないけれど
その間は悪夢を見ることもなく
握りしめたその手から
じんわりと伝わるいっちゃんの温もり
私がいつ目覚めても寂しくないように
いっちゃんは時間の許す限り
ずっとそばにいてくれた