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もちろん、本田の決断に難色を示したのは王耀だけではない。
かつて、世界の中心に立とうとした枢軸国のイタリア、フェリシアーノ・ヴァルガスも当然混乱した。
ヴァルガスの知る日本はとても穏やかで慎ましやかな良い国、という印象であった。
また、忠義を大切にし、慮り、礼儀や礼節を重んじる責任感のある国だと思っていた。
戦時中も、その姿が存分に見て取れて、敗北したとしてもその姿勢は尊敬に値するものであった。
悔やむ姿も、立ち上がろうとする姿も、すべてが日本らしく、また美しかった。
だからこそ、世界中が思ったことだろう。
“まさかあんなに努力していた『日本』が戦争に対して前向きになるだなんて。”
と。
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
ギリ、と爪を強く噛む。
この気持ちはなんだろう。
イライラするような、ムカムカするような。
はらわたがひっくり返るような、気持ちの悪い気持ち。
……ああ、そうか。
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
世界が壊れていく様を、見てみたかったんだ。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
カークランドは脚立の上に立ち、本をパラパラとめくりながら、独り言を演説するかのように呟く。
手にしている本は、……歴史書。
それも“イングランド”の。
実を言うと、彼は兄三人が邪魔で邪魔で仕方がなかった。
あんなにも親切にしてやったのに、三人の口からは「ありがとう」の一つも出てこない。
正直、嫌いというわけではないが、このままこの状態を続けるのは非常に面倒くさい。
だから、これを機に消してしまおうと考えていたのだった。
そうすれば正式に、カークランドは、いや、世界のカークランドは“イギリス”を名乗れるのだから。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
カークランドの向かいの本棚にバラを差し込んでいるのは、フランシス・ボヌフォワ。
カークランドの発言に対し、ボヌフォワは差し込んでいたバラを抜き、
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
ボヌフォワの目つきが変わる。
今にも人を殺してしまいそうな、そう、まるで世界大戦中の時のような。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
フランシス・ボヌフォワ
鼻で笑うカークランドに、ボヌフォワは歯を見せながら舌打ちをする。
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
フランシス・ボヌフォワ
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
フランシス・ボヌフォワ
“俺たち、同盟を組まないか?”
そんな二人の薄ら笑いが、館内に響いては瞬く間に消えていった。
最終的には双方裏切るとわかっていながらも、この方法を禁じ得なかった。
敵の敵は味方だ。
活用するところは、とことん活用して利用してやる。
それがたとえ、自身の首を絞めることとなっても……