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2002年3月
卒業式
『本校に恥じぬよう、立派な──』
咫穏
咫穏
しばらくして、話が終わった
咫穏
『3年生のみなさま、ご卒業おめでとうございます』
咫穏
咫穏
咫穏
お嬢様学校で中高一貫教育の有名な学園から解放されてせいせいする
咫穏
そうこうしているうちに在校生が送辞をすませ、自分の席へ戻っていく
縫
小神野縫。成績優秀で容姿端麗。生徒会を牽引してきた前生徒会長
彼女は式辞用紙を広げ読み上げた
縫
縫
縫
咫穏
3分後
縫
思い出、保護者・教師への感謝などで締めくくった
縫
縫
校歌斉唱を終え、卒業式は閉式した
パチパチ
拍手で送られながら卒業生たちが退場する
咫穏
なんの迷いもなく校門へと足を進める
カー、カー
カラスが桜の木にとまり、じっと見つめた
縫
縫
後ろから声を掛けられる
咫穏
咫穏
縫
咫穏
縫
咫穏
咫穏
咫穏
北御門
由緒ある旧家で父方の苗字……
物心がついたときにはすでに違和感を抱いていた
咫穏
咫穏
だから私は──
母の旧姓を名乗ることにした
咫穏
咫穏
縫は怪訝そうに咫穏を見つめる
縫
咫穏
縫
咫穏
縫
咫穏
咫穏
咫穏
カー、カー
咫穏
呆然としている縫を尻目に咫穏は歩き出した
縫
カァ
そのときカラスが飛び立ち、目の前に滑空した
縫
思わず目を閉じ後ずさりをする
縫
ゆっくりと目を開け、咫穏の姿はどこにもいなかった
縫
カラスの羽根が辺りに散乱していた