自分の部屋でくつろいでいると──
逝
お〜い
逝
開けてくれ〜
紅紫
紅紫
──いつもみたく、合鍵で入ってくればいいだろ
逝
今、手が塞がってるから無理
紅紫
はぁ、しょうがないな……
カチャ
逝
さんきゅー♪
紅紫
……なんだよ? その大荷物
逝は持っていた袋を卓上に置いた
逝
酒♪
逝
日本酒はもちろん
逝
焼酎、ビール、ワイン、ウィスキー──
紅紫
…………
逝
いろいろあるぞ♪
紅紫
また、ボクの部屋で家飲み?
逝
逝
半分、合ってる
紅紫
もう半分は?
逝
新人クンの歓迎会
逝
歓迎会してなかったな〜と、思ってな
紅紫
なるほど
紅紫
でも、あいつは御役目でいないよ
逝
そうかー
紅紫
しばらくしたら、帰ってくると思うけど──
逝
じゃあ、帰ってくるまで
逝
飲んで、待つか♪
1時間後
酒を飲みながら、つまみを口に運ぶ
床には空き瓶と空き缶が、散乱している
逝
あ、マジぃ──
逝
このままだと、酒がなくなるな
紅紫
お前、飲むペースが速いんだよ
逝
紅紫もだろ
紅紫
とにかく、あいつの分は残した方がいいな
逝
逝
ほかに酒はなかったか?
紅紫
たしか──
紅紫
この間、シオンちゃんに
紅紫
一升瓶貰ったから──
紅紫
それ、飲むか
逝
マジ?
紅紫
えーと
戸棚から、未開封の一升瓶を取り出した
蓋を開け、コップに注ぐ
逝
あんがと♪
ごくごく
紅紫
……一気に飲むなよ
ごくり
一口飲む
紅紫
ん、イケる──
ばたん
紅紫
……?
逝は床の上に倒れ込んでいた
紅紫
どうした?
逝
…………
紅紫
セイ?
逝
……ん…………
紅紫は一升瓶のラベルを見た
『鬼こ○し』
紅紫
マジか
アルコール度数は14度と書いてある
紅紫
…………
紅紫
一応、ベッドに寝かせよう
酔いつぶれた逝を介抱するため立ち上がるが、転がっている空き瓶を踏んでしまいバランスを崩した
紅紫
……!
逝に覆いかぶさるように、こけた
逝
……う゛…………
紅紫
……あ、ごめん
慌てて、のけようとした瞬間──
カチャ
慎哉
ただい…………
紅紫
あ……
慎哉
慎哉
──これは、どういうことだ?
紅紫
(この体勢って……)
紅紫
(まるで、セイを襲ってるみたいな感じだよね…………)
紅紫
(うん。非常にヤバい……)
一気に酔いが醒めていった
逝
逝
……ん?
逝
あ、おかえり〜
逝
阿左美(アサミ)ちゃん♪
慎哉
…………
紅紫
……!?
気温が下がったような気がした
紅紫
(ボクも“阿左美ちゃん“って)
紅紫
(呼んだことはあったけど──)
紅紫
(こんなに怒ってたっけ?)
逝
……ぐー…………
紅紫
寝るなー!!
慎哉
慎哉
紅紫
腕を掴まれ、立たされる
慎哉
…………
紅紫
慎哉……?
ぎゅっ
紅紫
……!
慎哉
──酒くさいな
紅紫
飲んだからね
慎哉
──楽しかったか?
紅紫
まあ、楽しかったよ
どん
紅紫
へ?
ベッドの上に押し倒された
慎哉
…………
紅紫
(……マズい)
慎哉
今度は、俺があんたを楽しませてやろう
紅紫
…………!!
チュ
おまけ
ちなみに逝は朝まで起きなかった
逝
……ぐーっ…………