わたし、屋上で靴を脱ぎかけたときに
男の子の先客に 声をかけてしまった
〇〇
ねぇやめなよ
口をついて出ただけ
ホントはどうでもよかった
男の子は、語る。
鬱先生
運命の人だった。
鬱先生
どうしても愛されたかった
〇〇
ぶざけんな!!
そんなことぐらいで!!
そんなことぐらいで!!
〇〇
わたしの先を越そうなんて!!
〇〇
欲しいものが手に入らないなんて!!
〇〇
奪われたことすらないくせに!!
鬱先生
…………
鬱先生
話したら楽になった(ニコッ
男の子は消えてった
さぁ、今日こそはと靴を
脱ぎかけたそこに
背の低い男の子 また声をかけてしまった
背の低い子は語る クラスで孤独なことを
ロボロ
無視されて、奪われて、
居場所がないんだ
居場所がないんだ
って
〇〇
ぶざけんな!!
〇〇
そんなことぐらいで!!
〇〇
私の先を越そうなんて!!
〇〇
それでもうちで愛されて!!
〇〇
温かいご飯だってあるんでしょ?
ロボロ
…お腹すいた…(ポロポロ
と泣いて
背の低い子は消えてった
そうやって何人かに 声をかけて追い返して
わたし自身の痛みは誰にも言えないまま
初めて見つけたんだ
似たような悩みの子
何人目にあったんだ
黄色いのカーディガンの子
コネシマ
うちに帰るたびに増え続ける痣を
消し去ってしまうためここに来たの
消し去ってしまうためここに来たの
口をついて出ただけ
ホントはどうでもよかった
思ってないことを でも、声をかけてしまった
〇〇
ねぇ、やめてよ
あぁ…どうしよう
〇〇
______?
コネシマ
______…………
〇〇
______?
コネシマ
______…………
この子は止められない
私には止める資格がない
それでも、ここから 消えるんだよ
それでも君は消えてよ
君を見てると苦しいんだ
コネシマ
じゃあ今日はやめておくよ
って 目を伏せたまま消えてった
今日こそ誰もいない
私一人だけ
誰にも邪魔されない
邪魔してくれない
カーディガンは脱いで
三つ編みをほどいて
背の低い私は
〇〇
今から飛び降ります