それは、季節が秋の今、突然私の前に現れた
名前も全然知らない男の子
でも、私は惹かれた
なんでかわからないけど
好きになった
瑠璃香
キミは…誰…?
私は恐る恐る声を掛けた
不思議な人
俺は…年に一度の秋のときしかキミの前に現れることができないんだ
私はその言葉を聞いた時、正直残念に思った
瑠璃香
え…なんで…
不思議な人
…そういう決まり
瑠璃香
そうなんだ…
瑠璃香
じゃ、またっ…また来年の秋には会える…?
不思議な人
会えるよ…!
不思議な人
必ず会いに行く
瑠璃香
うんっ…待ってる…!
瑠璃香
あのね、私
瑠璃香
あなたに惹かれた
不思議な人
俺も
突然現れたその男の子
名前も聞いてない知らない男の子
でもなんだろう…?
なにか、遠い昔の大切な人だった気がする
なんだろう
この不思議な気持ちは
月日が流れ、また秋になった
私はずっと待っていた
あの人が現れるのを
不思議な人
瑠璃香っ…!
後ろから名前を呼ばれた瞬間私は即座に反応した
もう、誰が呼んだのかはわかっていた
瑠璃香
…!!
瑠璃香
会えた…!
瑠璃香
ねぇ、あなたの名前は…?
不思議な人
えーと、…
不思議な人
それは…
不思議な人
来年の秋に教えてあげる
瑠璃香
もう…!それじゃあ
瑠璃香
ずっと秋が待ちきれないじゃない…