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──────???

エレン

……。

アレン

……。

これは 昔の記憶を持つドール。

だけど このドール達は特別である。

『彼女達』の『前世の記憶』 を……託されてるから。

桜色の白いドールは 『エレン』

夜色の黒いドールは 『アレン』

この子達は 『双子の兄妹』のドールである。

見た目は 『前世の姿のまま』

『前世の姿と記憶を持つドール』 ……今、動こうとしている。

エレン

[……カタッ]

アレン

[……ギギッ]

エレン

[瞳が桜色に光る]

アレン

[瞳が夜色に光る]

エレン

……?

アレン

……?

アレン

僕らは……一体……。

エレン

私達は……なんで……此処に?

アレン

……エレン……?

エレン

……お兄様……?

アレン

聞こえるのかい?僕の声が。

エレン

聞こえるよ。私の声も?

アレン

うん。ちゃんと聞こえるよ。

アレン

……。

エレン

……。

アレン

『記憶が生きてたんだ』ね……。

エレン

『体は人形になった』けどね……。

アレン

うん。

エレン

ねぇ……お兄様。

アレン

なんだい?

エレン

今の私達は……何をしているのかな?

アレン

『生まれ変われた』と思うよ。

アレン

けど……。

アレン

『僕は"また"死んだ』らしい……。

エレン

……そうなんだ。

アレン

でもね。

アレン

その子の妹として『また生まれ変わった』んだ……。

エレン

……良かったね。未来の私達。

アレン

そうだね。

アレン

これで『三度目の人生』かな?

エレン

ううん。

エレン

私"が"『三度目の人生』だよ。

アレン

そっか。

アレン

じゃあ僕は『四度目の人生』か。

エレン

そういう事になるね。

エレン

詳しい話はいつか、二人で語ろう。

アレン

そうだね。

アレン

……取り敢えず、今を楽しんでね。

アレン

僕の未来……『マイア』……。

エレン

私の未来……『フローラ』……。

現実の世界。

桜の木が揺れている。

フローラ

……。

マイア

フローラ様。

フローラ

あ、マイア。

マイア

何をなさって……?

フローラ

桜を見てただけだよ。

フローラ

綺麗だね。

マイア

……えぇ。本当に。

マイア

……綺麗です。

マイア

[フローラを見る]

フローラ

[小首を傾げる]

フローラ

なぁに?

マイア

いえ、なんでも……。

封印から解かれた二人は 現実世界の桜を見ていたのであった。

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