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最初に違和感に気づいたのは、
『 仲良いよな 』
って言葉が
冗談じゃ無くなった頃だった。
黒尾は、
前より静かになった
笑っても、
誰かを見る前に
必ず同じ方向を確かめる
軽く聞いたつもりだった
重くならないように
ちゃんと気を使った
黒尾 ( クロオ )
即答。
でも、その後一拍遅れて、
彼女の影を探す目
空気が止まる
黒尾は否定もしなかった。
肯定もしない。
黒尾 ( クロオ )
それだけ。
誰かが言った。
黒尾 ( クロオ )
遮る声は、
穏やかで、強い
黒尾 ( クロオ )
正しい。
間違ってる。
その線引きが
もう意味を持っていなかった
別の日、
今度は彼女に
直接声をかけた
心配だった。
本当に、それだけ
彼女は少し驚いて、
それから首を振る。
月詠 ( ツクヨ )
迷いの無い声。
月詠 ( ツクヨ )
"私が見てます"
そう言われた気がして、
誰も続けられなかった
言い終わる前に、
黒尾が前に出る
黒尾 ( クロオ )
反射みたいな速さ。
黒尾 ( クロオ )
彼女の隣に立つ
自然で、当たり前みたいに
黒尾 ( クロオ )
黒尾 ( クロオ )
その瞬間、全員が理解した。
彼を縛ってるのは、彼女じゃない
彼自身だ
誰かが言って、話は終わった
帰り道。
2人は並んで歩く。
彼女が小さく言う
月詠 ( ツクヨ )
黒尾は首を振る
黒尾 ( クロオ )
彼女は微笑んで、
黒尾の腕に振れる
確認するみたいに、
軽く
振り返る者はいない
止める理由も、
残ってない
鍵は、
最初から内側にあった