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寿司子の 『だっておなかすいたんだもん!』
Episode1:『朝定食の背徳コンボ』
寿司子
カーテンの隙間から差し込む無慈悲な朝日に、私はコタツの中で力なく呟いた。
視界の端には、相方のリコがだらしなく口を開けて爆睡している。
昨夜、深夜までネタ合わせに没頭し、夕食をお菓子で済ませた代償が、今、猛烈な空腹となって胃壁を突き上げていた。
スマホの時計は午前6時5分。
リコの家の冷蔵庫を勝手に漁るほど無作法ではないが、私の空腹はもはや限界値を突破している。
私は音を立てないようにコタツから這い出ると、洗面台のマイ歯ブラシで手早く口をゆすぎ、冷え切った早朝の街へと飛び出した。
寿司子
アパートの階段を駆け下りると、冷気が頬を刺す。コンビニでパンでも買おうか。そう思って歩き出した私の鼻腔を、蠱惑的なまでに馨しい香りがくすぐった。
牛丼チェーン『すきの屋』
時々、リコと二人で持ち帰りを買う場所だ。女子一人が早朝から入るには、少々ハードルが高い。だが、店頭のPOPが私の理性を揺さぶる。
『すきの屋の朝定!』
寿司子
私は自分自身を論理的に言いくるめると、吸い寄せられるように自動ドアを潜った。
店内には数人の先客。仕事前と思しき男性や、静かに箸を動かす老紳士。
……女子は、私一人。
急に気恥ずかしくなり、私は逃げるようにカウンターの端へ陣取った。 さっさと食べて、何食わぬ顔でリコの部屋に戻ればいい。
私は不慣れな手つきでタッチパネルを操作する。
納豆、焼き魚、ソーセージエッグ……。
寿司子
指が迷わずボタンを叩く。 だが、その直後、画面に悪魔の誘惑が現れた。
『ご一緒にこちらもいかがですか? ──牛皿小鉢』
寿司子
思考が停止する。
牛皿。それは牛丼の具そのもの。
寿司子
寿司子
──ポチッ。
寿司子
寿司子
寿司子
店員さんA
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
寿司子
───
その頃、店内のカウンターでは。
店員さんA
店員さんB
外国人店員たちの間で、私の『ステージ』は伝説として語り継がれることになったのだが、それを私が知る由もなかった。
おわり
コメント
2件
寿司子ちゃん、芸人の他に実況者も向いてるんじゃないかなぁ?よくスラスラとセリフが出てくるな…… 私も目玉焼きには醤油をつけます!でも 一番好きなのは何もつけずに食べることです👍