桃色の頭を追いかけたけど、
お兄ちゃんじゃなかった。
すぐに願いが叶う神社に行ったけれど
すぐに願いは叶わなかった。
真琴
(はぁー…)
真琴
(お兄ちゃん、どこに
いるんだろう)
いるんだろう)
真琴
(そもそも、今まで
亡くなった人は)
亡くなった人は)
真琴
(たーっくさん
居るんだし)
居るんだし)
真琴
(見つけられるのは、
いつになるんだろう)
いつになるんだろう)
真琴
いたっ!
頭に何かが当たった。
真琴
何か降って…
私はしゃがんで、 降ってきたものを拾った。
真琴
……
真琴
飴、だ。
キリンさんが、 バッと傘を広げた。
真琴
(その傘どこに
持ってたの!?)
持ってたの!?)
キリンさん
どうぞ、中に入って
下さい
下さい
キリンさん
おいしいですけど、
危ないですから
危ないですから
キリンさんと一緒に
透明なビニール傘の中に入る。
空からは、たくさんの飴が 降り続けていた。
まるで、今の私の
憂鬱な心を表したかのよう…
…でも、ないな。
雨じゃなくて飴だし、
どっちかといえば 楽しい心を表してる感じだ。
キリンさん
真琴さん、
キリンさん
一旦この建物の中に
入りましょう!
入りましょう!
キリンさんが、建物を 指差して言った。
キリンさん
飴が収まるまで
飴宿りしましょう!
飴宿りしましょう!
真琴
あめやどりって
何!?
何!?
真琴
雨宿りみたいな
感じ!?
感じ!?
私たちは、飴から逃れて
建物の中に、入っていった。