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それから数日が過ぎた。
夜は花魁が選んだ客の座敷で芸を披露し
朝と昼は稽古と花魁の身の回りの世話。
同じことの繰り返しのようでいて少しずつ毎日が違っていた。
客の間で静かに噂が回り始める。
名前は分からぬが別嬪で琴や三味線がとても上手な娘がいると。
その噂が立ち始めてからるなは前より忙しくなった。
座敷に呼ばれることが増え顔を覚えられることも増える。
見知った客の姿を見つけるとるなは小さく笑って声をかけた。
月
月
そう言うと客は驚いたように目を細める。
客
客
そんな言葉が返ってくる。
るなは少し微笑む。
言葉に詰まることはもう少ない。
話を聞いて返して音を奏でる。
それが自然になってきていた。
けれどその変化を喜ばしく思わない視線もあった。
廊下で稽古場でふと感じる気配。
ひそひそと交わされる声。
禿の女の子
禿の女の子
聞こえないふりをしても空気ははっきり伝わってくる。
褒められるようになったぶん向けられる感情も変わってきた。
るなはそれに気づき始めていた。
少しずつ嫉妬され始めていることに。
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