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目を開けると白いホールの中だった。
十脚の椅子が円を描くように並んでいて、
すでにそこには見知らぬ男女がすわっていた。
壁一面には黒いスクリーン。
その中央に
『幸福クラブ』
と書かれた赤いロゴが淡く光っている。
藍染 七星
強面の男が低く唸る。
二乃舞 理鶯
軽薄そうな青年が肩をすくめる。
その時、冷たい電子音声が、ホールに響いた。
『ようこそ、幸福クラブへ。』
『あなた方には幸福になるチャンスが与えられます。』
『ルールは簡単。幸福ポイントを集めるのです。』
ざわめきが広がる。
足元を見ると、各自の椅子の下に光るパネルがあり、そこには「幸福ポイント : 0」と表示されていた。
『幸福ポイントが10に到達した者は、真の幸福者として解放されます。』
『逆に0になった者は、不幸と認定され 退場していただきます。』
四宮 零治
壮年の男が問い詰める。
『ご安心ください。退場された方は、苦しみから解放されます。』
その言葉に少女が怯えたように声を震わせた。
蜂谷 八恵
誰も否定出来なかった。