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抗体人間シリーズ−過去編−

抗体人間シリーズ−過去編−

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39

地獄絵図

♥

13

2019年07月15日

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あれからどのくらい経ったのだろうか。

あの後どうなったのか、いまいち覚えていない。

気付けば私は外にいた。

ふと振り返ると一部の建物から火柱が上がっているのが見えた。

そこで思った。

ああ、夢じゃないんだな。

私はフラフラとした足取りのまま研究所を後にした。

“彼ら”と合流をするために...

だが、それは叶うことはなかった。

柘榴

柘榴

な...何これ...

男性A

く、来るなっ‼︎やめろぉ...

男性A

ぐああああああっっ‼︎‼︎

女性B

お願い‼︎命だけは...っ‼︎

グシャッ‼︎

柘榴

な、何で...

柘榴

柘榴

街の人が殺されてるの...?

街には大勢の人間だったものが転がっていた。

そして、そのどれもがありえないような殺され方をしていた。

柘榴

これって...

おっ‼︎兎隠さん‼︎

柘榴

えっ?

振り返ると少年のような笑顔をした黄緑色の髪の青年がいた。

柘榴

柘榴

蘭丸君...

柘榴

ねぇ...これってどういうことなのっ‼︎何で街がこんなことになってるのっ⁉︎

蘭丸

何でって言われても...

蘭丸

強いて言うなら

蘭丸

蘭丸

“復讐”っすかね。

柘榴

“復讐”...?

蘭丸

俺達はずっと人間に好き勝手されてたんで、今度は俺らがお返しをしているだけっすよ。

柘榴

だからって“君達”が人間を殺すなんて

蘭丸

俺達は殺される以上の痛みを受けてきたんすよ?それでも人間には危害を加えるなとでも言うんすか?

柘榴

っ‼︎

柘榴

(翠ちゃんと同じだ...)

蘭丸

俺達をあの地獄から救い出してくれたことは感謝しているっす。

蘭丸

でもその後のことを色々言われるのはどうかと思うんすよね。

柘榴

で、でも...っ‼︎

ブオオオオンッ...

柘榴

ひっ‼︎な、何その紫色の球体‼︎

蘭丸

悪いっすけど、俺は兎隠さんのことは殺したくないんすよ。

蘭丸

だからそれ以上、俺達の行動に口出しをするのはやめてもらえないっすか?

柘榴

....

蘭丸

少し脅し過ぎましたっすね...

蘭丸

けど分かってほしいんすよ。俺達を創った兎隠さんには一番の理解者になってほしいんすよ。

柘榴

....

蘭丸

じゃあ、俺達は戻るんで。...今までありがとうございましたっす。

タッタッタッ

それからどうやって自宅に帰ったのかも分からない。

自室に入ると私はベッドに横たわった。

柘榴

柘榴

はは...

柘榴

ははは...はは...

柘榴

はぁ...

柘榴

何やってんだろ...

柘榴

蘭丸君と翠ちゃん同じこと言ってたな...

柘榴

柘榴

私...何も言えなかった...

柘榴

....

柘榴

そうだ...日記書かないと...

柘榴

あ、ダメだ。研究室のパソコンでいつも書いてたから今は出来ないんだ...

柘榴

....

私は生きていていい存在なのか?

柘榴

....

なぜ2人が死んで、役に立たない私が生きているんだ?

柘榴

....

もし、彼女らが生きていたら蘭丸君に気の利いた一言でも言えただろう。

柘榴

....

柘榴

柘榴

私はどうしたらいいの...?

柘榴

教えてくださいよ...

柘榴

天望先輩、空泉先輩...

ああ、そうだ。

柘榴

私は...

柘榴

ずっと誰かに甘えて生きていただけだったんだ...

柘榴

自分では何も出来ない臆病者...

柘榴

もう、いいや...

私は

考えるのをやめた。

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