依存

START

あの出来事の後 俺はとりあえず普通に 帰って来た。

…一旦冷静に考えてみる

え、これ俺めっちゃ

なんて呟いて考えてる事を していたら

いつの間にか 寝落ちしてしまっていた。

聞き飽きた 学校のチャイム

すぐにどうでもいい事を 喋り出す人達の声

黒板の文字を書く音

ドンッ！

誰かから急に机を蹴られる

考えようとする 脳が追いつかないまま 先にまた手が出てきて

椅子ごと倒される。

そのまま頭を何処かの角にぶつけて

気絶してしまった。

浅い眠りから目覚める

心臓が早く、息苦しかった。

所詮前の事だ

気にしなければいいだけ、

そう自分に戒める。

最近はあまりやられなくなって

勝手に落ち着いていたけれど

またその隙を狙って やってくるかもしれない。

なんて今更

遅すぎるような考えと

頭の中で繰り返し渦巻く つらい出来事が俺を襲う

そして辿り着いた結果は

"消えたい" という考えだけだった。

一瞬トラゾーの顔も浮かんだが

言うことで迷惑をかけてトラゾーに嫌われるかもしれないという

考えが俺を邪魔する。

俺は引き出しの中から カッターとメジコンを取り出す。

やろうと思って結局そのままにしてあったものだ。

一箱分のお薬を水と一緒に 自分の体の中へと流し込む

カッターを俺の腕の内側に当てて シュッと傷を付ける。

それを何回も繰り返す。

脳内麻薬らしき効果を感じながら 薬の効果を待つ。

1〜2時間後

めまいで視界がぐるぐるして 焦点が合わず

目を瞑るとそこには 少し幸せな幻覚が見え

歩こうとしても床がぐにゃっと曲がるような感覚になり

平衡感覚がおかしくなって歩けない

そして異常に身体が軽く宇宙まで飛んでいけちゃいそうな感覚。

手足は冷たく、 たまにしびれてずっと震えていて

若干吐き気がするものの

今俺はすごく幸せに感じてる

これがず〜っと続けばいいのに

この世界がいつまでも

このままで

しあわせでいられますよーに