透
その声が、暗闇の中で蘇る。
胸が苦しい。
息を吸っているはずなのに、空気が足りない。
――息が、できない。
壁に背中を預けて、透はその場にしゃがみ込んだ。
膝を抱え、額を押し付ける。
誰かを呼ぼうとして、喉がひきつった。
助けて。
そう思った瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
どうせ、誰も来ない。
呼んだって、意味がない。
だから声を殺す。
呼吸は浅く、早くなり、
視界はもともと真っ暗なのに、さらに狭まっていく気がした。
時間がどれくらい経ったのかは分からない。
長かったような、短かったような、
ただ、永遠に続くような感覚だけが残った。
扉が開いたのは、透がもう、
「ここから出たい」と思うことすら諦めかけた頃だった。
