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〜タスト大図書館〜

カエデ

カエデ

だいぶいい話聞けましたね

フィン

だな

フィン

異能開花も案外悪くないのかもな

カエデ

ぶっちゃけ羨ましいかもしれないです

フィン

そうかぁ?

フィン

医療魔法ってのはパーティーの要だしそっちの方が仕事出来そうじゃん

カエデ

みんなを治療できるからこそダメージは負えないですし

カエデ

自分がやられちゃいけないって考えが過って

カエデ

変に緊張しちゃうんですよ

フィン

まぁ、確かにそれはあるかもしれねぇけど

フィン

僕の身体能力強化よりはいいと思うぞ?

フィン

さっきも言った通り身体バキバキになるしな

カエデ

実際僕にその力があっても使いこなせるかどうか怪しいですもんね

フィン

その剣を上手く使える日がこれば最強だろ

カエデ

カエデ

ですね

カエデ

それじゃあ僕はこの辺の医療魔法について調べます

カエデ

フィンさんはどうします?

フィン

僕はさっきの話にでてきたヴェルナデさんを調べて見たりするかな

カエデ

分かりました

カエデ

では、また後で会いましょう

フィン

おう

カエデ

医療魔法をもっと上手く使えないと

カエデ

またみんなを傷つけてしまう

カエデ

傷を癒すだけじゃなく身体能力を強化するような

カエデ

そういう補助魔法があった方がいいよね

カエデ

でも、万が一を考えると回復魔法も覚えておきたい

カエデ

うーん……

カリナ

カリナ

確かこの辺に医療魔法についての本があったはず…

カリナ

魔法についてはさっぱりだけど

カリナ

誰か一人万能になればパーティーとして連携がもっと上手くいくはず

カリナ

それこそ私がそれになれば指示もしてサポートにもアタッカーにもなれて

カリナ

そこまですれば私達も名が響くはず

カリナ

そして絶対”槍斧の獣”を討伐してやる

カエデ

カエデ

(あれは……)

カエデ

(ギルドで僕達を罵倒してきた女の子?)

カエデ

(あんな強気そうな子がなんで医療魔法の本のコーナーに?)

カリナ

まずは基礎を学ぶところから…

カリナ

魔法の才能無しでもやれることはやってやる

カリナ

使える手段は全部使ってそれで私は上に立つ

カリナ

『剣士』の才能開花を武器にして

カリナ

アウルートで『ヴァルキリー』の称号を手に入れてやる…

カエデ

(あの子の目的はシュナさんと同じなのか)

カエデ

(アウルートで騎士になること)

カエデ

(確かにあそこに行ける時点でかなりの実力者として認められるし)

カエデ

(なにより、そこのギルドに認められればそれだけで人としての価値が上がるほどだ)

カエデ

(それは男女問わずあそこに認められれば今後の人生は豊かになるだろうね)

カエデ

(とはいえ、その道のりは険しいどころじゃない)

カエデ

(生半可な気持ちでは多分行けないだろう)

カエデ

(あの子の目的は聞いてるところ『ヴァルキリー』の称号を求めてる感じかな)

カエデ

(それが原動力で今奮闘してる最中なのか)

カエデ

(それで少しイライラしててそこに僕たちが現れたのが)

カエデ

(さらにそのイライラを加速させたのかもしれない)

カエデ

(とはいえ、僕達もそんな気は無いし逆恨みも程々にして欲しいかも)

カリナ

カリナ

人の気配?

カリナ

誰か私を見てる?

カエデ

(バレると面倒かな)

カエデ

(とりあえずいくつか本を持って席に着くか)

フィン

フィン

ヴェルナデって人物について知りたいのに

フィン

資料が見つからないな

フィン

どんな職に就いてるかも聞いておけば良かったな…

フィン

あんまり気が進まないけどあの人に聞いてみるか

フィン

フィン

すいません

職員

はい?

フィン

ヴェルナデって人について知りたいんですけど

フィン

その人の資料とかってここにあります?

職員

ヴェルナデさんですか…

職員

フルネームは?

フィン

ヴェルナデ・ロウだったと思います

職員

職員

かしこまりました

職員

少々お待ちください

フィン

フィン

なんか、やけに顔が曇ってたな

フィン

まさか罪人とかないよな?

職員

職員

お待たせしました

職員

これがヴェルナデさんについての資料です

フィン

え?これっぽっちなんですか?

職員

大体200ページ程度の本1冊のみです

フィン

一体どんな人なんだ…

職員

それを読みながらで結構ですので

職員

私がお話しますね

フィン

お願いします

職員

職員

まず、一言でその方を表すなら

職員

優しい狂人ですかね

フィン

フィン

狂人なのに優しい?

職員

これは私の感想になりますが……

職員

職員

その人はこの世界では珍しい『異能開花』というものをされた方でして

職員

その能力が『空気を刃に変える』という力だったのです

職員

それを行使したことで何十人という死者を出して

職員

彼は死神という異名を背負い生きていくことになったのです

職員

もっともその異名の決めては死者を何人も出したことよりも

職員

人を殺めた際笑みを零していたことが原因だと思われます

フィン

人殺して笑ってたのかよ…

職員

そんな人でしたが数年という月日の元

職員

彼の持つ『異能開花』は名の通り花開き

職員

斬る対象を定めることに成功したのです

職員

しかし、その過程での人殺しというイメージがとても強く

職員

誰も彼を認めてはくれませんでした

職員

それでも彼は世界に絶望せず自分を貫き通し余生を楽しむことにしたのです

職員

そう決意をし更に何年何十年という月日を重ねたある日のこと

職員

たまたま旅をして通り掛かった村でのことでした

職員

その村の人達は自分のことを何も知らないからか

職員

人を殺めてしまったという前科があるにも関わらず

職員

普通の旅人として彼と接したのです

職員

その優しさに触れた彼は初めて涙を零しました

職員

その後しばらくの間その村に滞在し自分の持つ力を使い

職員

手伝えることは手伝って村の人とも仲良くなっていき

職員

すっかり馴染んでしまったのです

職員

しかし、それが彼にとっての不幸でした

フィン

職員

彼が不在の時何者かがその村に訪れとある魔法を唱えたのです

職員

その魔法使いのせいで村人たちは狂ってしまい

職員

仲の良い友人や家族たちですらも殺めようとする

職員

殺戮マシンとして人の心を改造したのです

職員

それを知らぬまま彼は村に戻り

職員

狂った村人達に襲われそしてその手で彼らを殺めてしまう

職員

村人全員を殺めたあと彼は血の池の真ん中でただ高らかに笑っていた…

職員

職員

これが彼の一生です

職員

正確に言えばその本に記されてる出来事です

職員

これを書いた方はあまりに怖くてその本を書いたあと失踪してます

フィン

フィン

本読みながら聞いてたけど

フィン

お姉さんが話したような内容じゃなかったぞ

フィン

あまりにも悪魔のような奴って…

職員

それはそうでしょう

職員

だってそれを書いた人の目線なのですから

職員

私はその著者が書いたものを読者として読み解いてお話したのです

職員

でも、私の言いたいこともあなたは理解できると思います

職員

何故なら所々その著者も違和感を感じているのです

職員

その違和感を私なりに解釈した結果が今の話です

フィン

お姉さんからみてヴェルナデさんは悪に見える?

職員

悪かどうかは判断しかねます

職員

しかし、彼の判断は私は間違ってないと思うのも確かです

職員

”真実”を知るなら一番はやはり本人に会うしかないでしょう

フィン

その本人が存在してるかも怪しいけどね

職員

職員

では、私からも1つ質問いいですか?

フィン

はい

職員

何故あなたはヴェルナデさんを知ろうと?

フィン

フィン

まぁ、僕も異能開花した人でね

フィン

同じ異能開花した人がいるって話聞いて

フィン

どんな人か気になった

フィン

それだけですよ

職員

そうですか…

職員

職員

なんとなくですがあなたはいつかヴェルナデさんに会えると思います

職員

もし、会えたら私のこと伝えてもらえませんか?

フィン

なんてお伝えすんですか

職員

あなたの事を理解しようとした人がいた、と

フィン

会えたらお伝えしておきます

職員

ありがとうございます

フィン

それじゃあ僕はこれで

フィン

ヴェルナデさんについて知れたので

職員

はい

職員

お気を付けてください

剣も魔法も才能ないからステゴロで世界を回ってみる

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