松崎 悠斗
お〜い…
松崎 悠斗
おぅ〜い!
松崎 悠斗
い・し・ざ・き!
石崎 優衣
あ…何?
松崎 悠斗
消しゴム貸して。
石崎 優衣
あ…うん。
石崎 優衣
はい。
松崎 悠斗
さんきゅっ。
石崎 優衣
あのさ私予備あるから持ってていいよ。
松崎 悠斗
おう。
ー休み時間ー
冴島
お前らさぁ
冴島
付き合ってんの?
石崎 優衣
えっ!?
石崎 優衣
なんで?
冴島
テスト中にずっと小声で消しゴムのなんちゃらってやり取りしてんじゃん
石崎 優衣
別にそれは…
冴島
あ?
石崎 優衣
何でもない…
松崎 悠斗
俺ら付き合ってないよ。
松崎 悠斗
ただ…
松崎 悠斗
消しゴム忘れただけ。
松崎 悠斗
だからあんま石崎のこといじめんなよ。
冴島
んー
石崎 優衣
松崎くん…
その日から私は松崎くんのことが好きになりました。
ー次の日ー
松崎 悠斗
わりー石崎
松崎 悠斗
消しゴム忘れた!
石崎 優衣
もういいよ。
石崎 優衣
持ってて
松崎 悠斗
わりぃ!
そして次の日もそのまた次の日も何月たっても
消しゴムは帰ってきませんでした。
石崎 優衣
え?
担任
松崎悠斗が転校する
急だが今日だ。
急だが今日だ。
松崎 悠斗
はい。
松崎 悠斗
東京に…行きます。
石崎 優衣
あ…そんな…
ー休み時間ー
石崎 優衣
松崎くん!!
松崎 悠斗
なに?
石崎 優衣
消しゴ…
松崎 悠斗
ん?
石崎 優衣
なんもない!
好きな人には私の物を持ってて欲しいから…
いいや。
次の日から生活が静かになった。
騒がしい恋心はどこかに落としたみたいに。
石崎 優衣
また会いたいな…
ただその言葉を毎日のように吐くだけ。
ー3年後ー
石崎 優衣
ふぅ…
石崎 優衣
今日から高校生!
石崎 優衣
初めての東京!
私は追いかけてきた。
松崎くんに会いに…!
ー緑ヶ丘高校ー
石崎 優衣
ここ有名なんだよねぇ…
石崎 優衣
よしっ!
松崎 悠斗
あ…石崎?
石崎 優衣
ま…松崎くん?
松崎 悠斗
石崎の親から聞いた。
松崎 悠斗
こっち来たって
石崎 優衣
え?
松崎 悠斗
この前の大掃除で消しゴム見つけて…
松崎 悠斗
返す
石崎 優衣
え?
松崎 悠斗
わりぃ…
松崎 悠斗
渡してなかったのは本当は無くしたんだ…
石崎 優衣
そうなんだ。
石崎 優衣
じゃあ私…遅れるし…
石崎 優衣
もう行くね。
松崎 悠斗
消しゴム!
石崎 優衣
ん?
松崎 悠斗
ケース剥がすんだぞ!
石崎 優衣
え?うん…
ボロボロだからかな?
ケースを剥がす
「好きだ!」
石崎 優衣
え?
石崎 優衣
松崎くんっ!!
松崎 悠斗
え?
石崎 優衣
これ…
石崎 優衣
私も同感だから!
石崎 優衣
松崎くんのこと好きだから!
松崎 悠斗
石崎!!
抱き合う
石崎 優衣
愛してる…
松崎 悠斗
俺も…