結衣と糸で繋がってる話をして早数週間後
茜
何故僕はこんなところに連れ出されたの?
結衣
決まってるでしょ?
結衣
あなたに恋愛とはなにか
結衣
恋とはなにかを教えるためにここに来たのよ!
茜
申し訳ないんだけど今から僕お昼よ?
茜
お昼ご飯を食べようって時に
茜
いきなり僕の腕を掴んで屋上に連れ出すのやめない?
茜
僕見た目通り痩せてるからさ踏ん張りとか効かないのよ
茜
だから女性である柴崎さんの引っ張る力ですら、為す術なくここに来てんだけど
茜
そのおかげでお弁当の中身ぐちゃぐちゃになってるわけよ
茜
僕の学校での唯一の楽しみ壊れちゃったんだけど
結衣
じゃあそのお弁当を超える楽しみを今ここで
結衣
作って見せようじゃないか!
茜
主語がとてもとてもデカイね?
茜
僕の中でお昼休みは生きてきた17年の中で、TOP5に入るほど楽しみなことだよ?
茜
それを超えるのはなかなか難しいと思うけど
結衣
ちなみにそのTOP5は?
茜
5:学校でのお昼のお弁当
4:授業中の睡眠
3:新作ゲームやアニメの告知
2:ジャンクフードをたらふく食べる
1:満腹の状態で寝る
4:授業中の睡眠
3:新作ゲームやアニメの告知
2:ジャンクフードをたらふく食べる
1:満腹の状態で寝る
結衣
5分の3が食うことに関しては深く突っ込まんといてあげる
結衣
じゃあ話を戻そう!
結衣
まず君は恋を知らないと言ったね?
茜
以前確かにそう言いましたね
結衣
それ即ち人に関心がないというわけだな?
茜
まぁ、そうなりますかね
茜
友達が楽しんでようと悲しんでようと
茜
極論言えば僕の人生には大きく関わりを持ちませんので
結衣
つまり恋を知るには君は人に関心を持つ必要がある
茜
はぁ…
結衣
というわけで
結衣
現在絶賛片思い(?)中友達を連れてきました!
美波
ど、どうもこんにちは…
屋上に続く階段から上がってきたのは一人の女性
黒く背中まで伸びた長い髪に、丸いメガネをしていて内気そうな女の子がやってきた
茜
ちょっとまて
結衣
どうされました?
茜
一応聞いていい?
結衣
どうぞ
茜
今回の目的は僕が恋を知る事にあるんだよね?
結衣
はいその通りです
茜
なのになんで絶賛恋してる人を連れてきたの?
結衣
恋してるご本人から恋とは何かを話してもらおうと思いまして
茜
ん?柴崎さんが話す訳では無いのね?
結衣
そうだよ
結衣
やはり恋してる人物から話してもらうのが1番かと思って…
茜
おっけい分かった…
茜
茜
じゃあ次に君
美波
は、はい!
茜
名前はなんて言うの?
美波
み、美波って言います!
茜
じゃあ美波さん
茜
君の友達を悪くいうのは申し訳ないんだけど
茜
なんでこんな事に参加しちゃったのかな?
茜
数週間関わってたらわかると思うけど
茜
だいぶ彼女変わり者よ?
茜
そんな子に今あなた利用されてるのよ?
茜
もっと自分を大切にしないと
美波
で、でも!
美波
恋を知らない人がいるって聞いて…
美波
そんなの人生つまらないんじゃないかと私思いまして…
美波
だから人助けだと思って結衣ちゃんの話を受けたんです
茜
おっけい分かった…
茜
初対面で大変失礼だと承知してるんですけど言わせてください
茜
余計なお世話ってやつですそれ
美波
えぇ!?
結衣
余計なお世話じゃないよ!
結衣
茜君の人生を彩るために私も美波ちゃんも協力してあげてるんだよ!!
茜
別に僕は頼んでないから余計なお世話って言ってるの!
結衣
まぁ呼んじゃった以上企画は続けるけどね
茜
僕の声は君には届かないのね
結衣
というわけで美波ちゃん
美波
はい!
結衣
恋とは何か話してあげなさい
美波
恋とはなにか、ですか…
茜
難しいなら無理して話す必要ないよ?
茜
別に僕も知りたくて聞いてるわけじゃないし
茜
君も無理してるならやめときな?
美波
じゃあ、あの異性を好きになった事ありますか?
茜
あー僕の声は届かないのねオケオケ…
茜
えー、そうねー。今のところないかなぁ
美波
それじゃあアニメとか漫画とか見ます?
茜
あーそれはよく見ますよ
美波
それで漫画とかアニメを見ていて推しって恐らく出来ると思うんですけど
茜
まぁたしかにできるね
茜
今のアニメも漫画も個性的な人多くて
茜
見入っちゃうレベルなんだから
美波
その推しが異性だとして
美波
さらにバトル物の話と仮定してください
茜
あー了解了解
美波
推しが敵にやられそうになったら
美波
見てて辛くないですか?
茜
うーん…まぁ見入っている作品なら
美波
場面を変えるとなると
美波
推しが幸せそうにしてたら自分も嬉しくなりません?
茜
うーん……
美波
恋ってそれに近い感じなんです!
美波
あの人の事を想うと胸が苦しくなって
美波
心拍数も上がって心做しか顔も赤くなってて
美波
気がついたら頭の中その人でいっぱい…
美波
そうなるのが恋なんですよ!
茜
お、おぉ……
美波
分かりました?
茜
ま、まぁわからなくもないって感じかな
美波
そ、そうですか
結衣
少しは理解出来たか?
茜
今のところ推しを愛でる=恋 ていう式が立ってるところだね
結衣
うーん惜しいんよなぁ……
茜
んな事言われても…
茜
何度も言う通り僕は関心がないんだ
茜
だから惜しい惜しくない関係なしに
茜
正直どうでもいいってレベルなんだよ
美波
そ、そんな……
茜
あー違う違う!
茜
美波さんの恋愛がどうでもいいとかじゃなくて
茜
僕自身の恋愛はどうでもいいって話しね?
茜
他の人の恋愛はそりゃあ上手くいって欲しいさ
茜
僕も畜生じゃないから
茜
誰かや幸せを見ることは好きだしね?
茜
だからちょくちょく恋愛相談とか受けるし
茜
何とか力になりたいって思ってるよ?
茜
もちろん美波さんもそれに当てはまるんだから
美波
ほんとですか!
茜
も、もちろんだよ
結衣
(恋愛した事ないくせに相談受けるとか…)
結衣
(けどまぁ、美波ちゃんの為にもなったか)
結衣
(大きな成果は得られなかったけどまぁ焦らず、1歩ずつ進んでこうかな)
この作品はいかがでしたか?
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