城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医
『妹さんに言いたいことを全部書きなさい。』
最後に渡された1枚の原稿用紙。
才賀 夏来
『いつまでですか…?』
城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医
『何時までだっていい。』
城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医
『とにかく書きなさい。』
書いたって届くはずがないのに。
そう思いながらも
もしかしたら読んでくれるのかもしれない
そう希望を抱いていた。
才賀 夏来
もう、名前も呼んでくれないのか…
才賀 夏来
生きて欲しかったのに…
才賀 夏来
そんなの身勝手かな…?
才賀 夏来
この先、お前居ないとどうしていいか分かんねぇよ…!
才賀 夏来
帰ってきてくれよ…
この3年間
無駄だと思っていながらも
ずっと真冬を探し続けていた。
3年越しに伝えたい思い。
僕は右手にペンを持ち
今の思いを紙1枚に精一杯書き綴った。
僕の名前を呼んでくれ。
『お兄ちゃん、何処にいるの?』
『助けに来て』
あの日言えなかった思いを叫んでくれ
お兄ちゃんに会いたいって
何処か遠くで僕を探しながら泣いてくれ。
そしたら、助けに行くから。
お兄ちゃん、真冬がいないとやっぱ駄目だ(笑)
耐えられないよ。
どうか貴女が泣きながら僕を探していますように。
僕はそう書き綴り
教室を後にした。







