数日後。 哲汰はライブの最終リハーサルを終えた後、 咲を校門前で待っていた。
哲汰
夕焼けが校舎を赤く染めるなか、 少し照れくさそうに彼は切り出す。
哲汰
咲は瞬きした。 哲汰のライブの話はよく聞いていたけど、 実際に“来て”と言われたのは初めてだった。
咲
哲汰
哲汰は後ろ頭をかきながら、 でもしっかり咲を見つめて続けた。
哲汰
咲
哲汰
その言葉に、咲の胸がぎゅっと熱くなった。
目の前の哲汰は、ただの“アイドル”じゃない。 自分だけが知っている、優しくてまっすぐで、 不器用なくらい真剣な男の子。
咲
咲は頷いた。 涙をこらえて、笑顔で。
哲汰の顔も、少し照れながらふわっと笑った。
哲汰
咲
哲汰
咲の手にそっと渡されたのは、小さな封筒。
ライブの招待状。
そこには手書きで――
そこには手書きで――
と、書いてあった。
咲は胸にそれを抱いて、空を見上げた。 夕焼けはやさしいオレンジ色。
ライブの日はもうすぐ。 ふたりの未来は、少しずつ前に進んでいる。
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