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部屋に漂うのは、吐き気がするほどの甘い匂い
朝と夜とで一日計二回、空腹のオレには苦痛の時間だ
意識も閉ざされて、脳の中でしか動くことは出来ない
声も何もかも、響いても、言えてもいない
ああ、鎖の音がうるせえな
東雲彰人
神代類
天馬司
天馬司
あれから数日が経った
未だに司様の考えは分からない、食べるというのがどういう行為なのかも
ただ大切にされて、言われた通りに生きている
奴隷の扱いがこれでいいのかはまだ分からない
天馬司
神代類
天馬司
天馬司
神代類
バタン
頭を撫でられた、すぐに出て行かれてしまったけれど初めてのことだ
…………嬉しいと、僕は思っているのだろうか
行き先も分からない未来を握っている人物に撫でられて……
神代類
ヴゥッ!!ア”ッァ”ア”ガ!!
……まだ、大きい獣の鳴き声が聴こえる
僕の部屋は鍵を掛けられていない
どこにも行く当てがないから出るつもりはないけれど
神代類
ガチャリ
神代類
あっけなく出られてしまった……すぐに戻れる距離のまま歩いていく
青柳冬弥
東雲彰人
青柳冬弥
神代類
あり得ないものを見ているようだった
人が人を飼いならしているような、奇妙な光景だ
青柳冬弥
青柳冬弥
神代類
青柳冬弥
神代類
青柳冬弥
神代類
東雲彰人
神代類
青柳冬弥
バタン
なんだ、今の……オレの知らない甘い香りは
クソ……前も見えない、光も、何もかも
………それさえ食べられれば、オレは元に戻れんのか?
ああ、ダメだ、食欲がオレの意識を貪っていく
数時間後
青柳冬弥
誰にも構っている暇はない
流石にあの奴隷は戻さないと司様に怒られてしまうが……
天馬司
青柳冬弥
天馬司
天馬司
青柳冬弥
天馬司
青柳冬弥
青柳冬弥
……本当に時間は無い様だ
早く彰人を正気に戻して…間に合わない
どうにかして、ここから逃げ出さなければ
だがそれは司様を裏切ることになってしまう
俺は、どうすればいいんだ……
一つ確かなことは、このままだと
彰人が居なくなってしまう、……呪いを受けたまま、ずっと
天馬司
青柳冬弥
青柳冬弥
司様の姿も、彰人が呪いに罹った日からおかしい
こうなる前は奴隷にも、同じ人として接していたはずだ
天馬司
まるで、悪魔に取り憑かれてしまったような……
どうすればいい?………返答してくれる者は誰もいないだろう