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ねぇ…僕ってさ
生きている意味…あるの？
ないよね
だって
誰にも必要とされてないんだもん
…
死のうかな
裕斗
（ここ…車がよく通るんだよね）
裕斗
（死ぬにはうってつけの場所だ…）
裕斗
（僕を轢いた人には…ちょっと気の毒だけど）
裕斗
（あ…車来た）
裕斗
（さようなら）
裕斗
（僕の悲しい人生）
キッキッキーッ
裕斗
（…あれ？）
裕斗
（死んで…ない？）
裕斗
（嘘…）
裕斗
（どうして…？）
運転手
ちょっと！！
運転手
あんた馬鹿なの？！
裕斗
…？
運転手
ここは車がよく通るって知ってんの？！
裕斗
知ってるけど…
運転手
じゃあなんで飛び出してきてんのよ！！
裕斗
…死んじゃおうと…おもったから…
運転手
…！
運転手
それ…
運転手
ってかあんたあざだらけじゃないの…
裕斗
あぁ…これ…
運転手
虐待…か
運転手
ねぇあんた
運転手
うち来る？
裕斗
…？
裕斗
なんで？
運転手
これで家に返すとか考えられないわ
裕斗
でも…
運転手
いい？虐待する親のところに律儀にかえる必要はないの
運転手
そのままだとあんたそのうち死ぬわよ
裕斗
…いいよ
裕斗
別に死んでも
裕斗
だって生きる意味ないもん
運転手
…はぁ…
運転手
生きる意味がない人なんてねどこにもいないの
運転手
わかった？
裕斗
…
裕斗
言ってる意味がわかんない
運転手
ほんとに…馬鹿…
裕斗
だって馬鹿だもん
運転手
開き直ってんじゃないわよ…
運転手
ところであんた名前は？
裕斗
…相川…裕斗…
運転手
そ、裕斗ね
運転手
裕斗もう一度聞くわ
運転手
うちに来る？
裕斗
…
裕斗
（たしかに家には帰りたくない…）
裕斗
（でも…知らない人の家には…）
裕斗
（…でも…あの生活から逃げられるんなら…）
裕斗
…いく
運転手
良かったー
運転手
これで行かないとか言われたら
運転手
あんたの将来怖かったわー
運転手
あ、あたしの名前言ってなかった
澪
あたしの名前は桜木 澪
澪
よろしく
裕斗
み…お
澪
いきなり呼び捨てかい
澪
いいけどさ
澪
んじゃ車に乗って
裕斗
…うん
あれ？なんだろ…
この感じ…
なんとなく…少し希望が…見えてきたかも…
でも…もしかしたら…この人も…
僕を叩いたり…罵ったり…
それは…いや…
でも…もし…この人が…
この人が僕を…救ってくれたなら…
その時は…ちゃんとお礼…言いたいな
この人に…賭けてみよう
僕を…救ってくれることに…
どうか…僕を…救ってください
澪さん
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