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人を食べる人

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人を食べる人

1 - 人を食べる人

♥

207

2019年04月07日

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私の友達は人を食べる。

それに気づいたのは去年の夏。

友人の美雨の家に行って勉強会をしていると、2階から物音がしたのだ。

美雨の両親は今、海外にいると言っていた。では一緒に住んでいる祖母か?

ドタドタ

ドンドン

ドタドタドタドタ

春子

え?

美雨

どうしたの、春ちゃん

春子

いや、この物音…

美雨

物音??

春子

聞こえるでしょ?2階から…

美雨

2階?2階には誰もいないよ

美雨

この家には春ちゃんと私だけ

春子

え?

美雨

勉強のしすぎかな?

春子

そんなことないって!

ドタバタドンドンドン

ドンドンドンドンドン

ガンガンガンガンガンガンガン

物音は止まるどころか、音が大きくなってきた。

春子

何なのこれ

美雨

これって??

まさか強盗??

美雨の家ってお金持ちだし、強盗に狙われてもおかしくないはず。

春子

警察に通報した方がいいよ

私はスマホを取り出す。

美雨

ちょっと待ってよ。なんで警察?

春子

この異常な物音、おかしいって!

美雨

何も聞こえないよ?

美雨

だから警察に通報しても、おかしい人って思われるだけだよ

私には聞こえて、美雨には聞こえない。

ただの幻聴????

暑さで私がおかしくなってるだけ???

春子

ごめん…

ドタドタドタドタ

バンバンバンバン

バンバンバンバンバンバン

ガシャーン

何かが割れたような音

美雨

はぁ…

え?

美雨がいきなりため息をついた。

美雨

一緒に2階見に行こっか!

春子

駄目だよ!危ないって!!

美雨

大丈夫だよ、何もないから

美雨

見に行って、何もないことを確信したら春ちゃんも安心するかもよ。

確かにその方が安心するかもしれない。

でも…

美雨

行こ?

春子

うん

美雨が言うなら大丈夫な気がする

大丈夫な気がしてきた

ドンドンドンドンドン

2階に続く階段を上っていくごとに物音は大きくなって、近づいてくるけれど前には美雨がいる。

大丈夫、大丈夫

ドンドンドン

美雨

物音が聞こえる部屋っていうのは、どこ??

えっと…どこだ?

ドンドンドンバンバン

春子

奥!あっち!!

私は奥の部屋を指差す。

美雨

あそこ?あそこは物置のはずだけどなぁ……

奥の部屋の目の前にきた。

ドタバタドンドン

物音がすぐそこにある。

やっぱりこの部屋だ!

ガチャガチャガチャガチャ

美雨がドアノブに手を触れると、部屋の中からドアノブがガチャガチャと音を立てて動いた。

美雨

あ、動いてる。なんでだろ?

美雨は平然としている。なぜだ?

春子

やっぱり中に人がいるんだよ!早く通報しないと!!!

美雨

待って。壊れてるだけかもよ

このときに気づけば良かった。

こんなにも平然としている美雨がおかしいことを。

美雨

開けるね

私は怖くて何も言えなかった。

その場を動くこともできなかった。

そして美雨がドアノブを回す。

ドアが勢いよく開いた。

美雨

ふっ。春ちゃん、入って

美雨

早く

え??

え?????

部屋の中は真っ赤だった。

臭かった。

私は美雨に押され、部屋の中に倒れた。

春子

美雨?え?何?

状況が理解できず、私はとにかく立ち上がろうとした。しかし立ち上がれない。

春子

きゃあ!

私の足を血まみれの人が掴んでいた。

顔の原型が崩れ、男か女かすらもわからない。

春子

やめて、離して!

掴まれた手を離そうとするが鉄のように動かない。

春子

美雨、助けてよ!

美雨

やーだ。だって逃げちゃうじゃん?

春子

意味わかんない!何なの、ここ!

美雨

後ろ。見てみなよ

状況が理解できなかった私は言われるがままに後ろを振り返った。

そこには思いもしない光景が広がっていた。

春子

絵に描いたような血の海。

人みたいで人じゃないような人。

散らばるナイフやフォーク。

美雨

ここは私の食卓なの

美雨

本当は食べ頃までここで少し保存しておくんだけど春ちゃんはいつ見ても美味しそうだから、もう食べちゃうね。

春子

ねぇ何言ってるの?ねえ!!

美雨

いただきまーす♡

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