私の友達は人を食べる。
それに気づいたのは去年の夏。
友人の美雨の家に行って勉強会をしていると、2階から物音がしたのだ。
美雨の両親は今、海外にいると言っていた。では一緒に住んでいる祖母か?
ドタドタ
ドンドン
ドタドタドタドタ
春子
美雨
春子
美雨
春子
美雨
美雨
春子
美雨
春子
ドタバタドンドンドン
ドンドンドンドンドン
ガンガンガンガンガンガンガン
物音は止まるどころか、音が大きくなってきた。
春子
美雨
まさか強盗??
美雨の家ってお金持ちだし、強盗に狙われてもおかしくないはず。
春子
私はスマホを取り出す。
美雨
春子
美雨
美雨
私には聞こえて、美雨には聞こえない。
ただの幻聴????
暑さで私がおかしくなってるだけ???
春子
ドタドタドタドタ
バンバンバンバン
バンバンバンバンバンバン
ガシャーン
何かが割れたような音
美雨
え?
美雨がいきなりため息をついた。
美雨
春子
美雨
美雨
確かにその方が安心するかもしれない。
でも…
美雨
春子
美雨が言うなら大丈夫な気がする
大丈夫な気がしてきた
ドンドンドンドンドン
2階に続く階段を上っていくごとに物音は大きくなって、近づいてくるけれど前には美雨がいる。
大丈夫、大丈夫
ドンドンドン
美雨
えっと…どこだ?
ドンドンドンバンバン
春子
私は奥の部屋を指差す。
美雨
奥の部屋の目の前にきた。
ドタバタドンドン
物音がすぐそこにある。
やっぱりこの部屋だ!
ガチャガチャガチャガチャ
美雨がドアノブに手を触れると、部屋の中からドアノブがガチャガチャと音を立てて動いた。
美雨
美雨は平然としている。なぜだ?
春子
美雨
このときに気づけば良かった。
こんなにも平然としている美雨がおかしいことを。
美雨
私は怖くて何も言えなかった。
その場を動くこともできなかった。
そして美雨がドアノブを回す。
ドアが勢いよく開いた。
美雨
美雨
え??
え?????
部屋の中は真っ赤だった。
臭かった。
私は美雨に押され、部屋の中に倒れた。
春子
状況が理解できず、私はとにかく立ち上がろうとした。しかし立ち上がれない。
春子
私の足を血まみれの人が掴んでいた。
顔の原型が崩れ、男か女かすらもわからない。
春子
掴まれた手を離そうとするが鉄のように動かない。
春子
美雨
春子
美雨
状況が理解できなかった私は言われるがままに後ろを振り返った。
そこには思いもしない光景が広がっていた。
春子
絵に描いたような血の海。
人みたいで人じゃないような人。
散らばるナイフやフォーク。
美雨
美雨
春子
美雨
コメント
1件
でも、生きてるんだよね?最初に去年って言ってたから