「大人になれば平凡な毎日がただ続くだけだ」
そう誰かが言っていたのを思い出した。
社会も何も知らない、働き始めたころの自分はある程度の情熱を持って仕事に取り組んでいた。
しかし働けど働けど、評価されない。昇給が見込めない事実を知ってからは俺はただただ組織の為に働く人形と化した。
ある日、出勤するため歩いていると、突然足が動かなくなった。働きたい意志はあるのに身体が言う事を聞かないのだ。
それはまるで重力が二倍になる感覚に陥った。地面が纏わり付き、地の底へと引きずり込まれる様だった。
もがけどもがけど地面に引きずり込まれて行く。ついには抵抗するのをやめ、その場に座り込んだ。
ふと、下を見ると、そこには二つの鎌があった。
そうか…アリ地獄か。
コメント
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これはただの蟻の事を言っているのか、はたまた比喩なのか、ミステリーだなぁ!(これで恋愛以外全部のメダルゲットだぜ!)