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十三形によるカウントダウン。

それは彼の自信が具現化したと考えるべきか。

それとも、一宮達を焦らせ、ミスを誘う策略か。

一宮

(このゲーム、言ってしまえば一発勝負)

一宮

(しかもこちらは8人いるから、十三形よりフットワークも軽くはならない)

一宮

(正解しても間違えても、その結果が反映されるだけの十三形とは違い、俺達は結果が全員に反映される)

一宮

(つまり、それだけ解答し難い環境が出来上がってしまう)

一宮

(きっと、このゲームの狙いはそこなんだ)

一宮

(俺達が周囲への影響を気にするあまり、結果的に誰も動かないというのが、このゲームの流れになると言ってもいい)

一宮

(もちろん、十三形だって間違えれば負けなのだから、条件的には変わらない)

一宮

(ただ、そのプレッシャーは、間違いなくこちらのほうが大きいだろう)

十三形

どうした?

十三形

お前達、だんまりを決め込んでいたら、勝てるものも勝てなくなるぞ。

十三形

そっちは8人もいるんだ。

十三形

誰か1人くらい、良案を思いつくやつがいそうなもんだが。

七星

――みんな、惑わされるな。

七星

わざと解答までのカウントダウンを始めたり、こうして挑発じみたことをしてくるのは、私達を焦らせてミスを誘うためだ。

七星

ここで奴の口車に乗ってはいけない。

四ツ谷

それにしても、本当に自分の絵本だけ分からないようになってるのな。

十日市

あ、例えばさ、他の人が教えてあげるってのはどう?

十日市

それ、ルール的に禁止されていないんじゃない?

一宮

いや、それは明確な不正だよ。

一宮

ゲームのバランスを崩してしまっているからね。

二ツ木

まぁ、そう簡単にはいかない。

二ツ木

そうでしょ?

二ツ木は十三形のほうへと視線をやる。

十三形

さぁな。

十三形

さて、残り3分だぞ。

十一月二十九日

おい、よくよく考えたら、これ単純に運の勝負じゃねぇかよ。

十一月二十九日

10冊の内使用する絵本が9冊。

十一月二十九日

その9冊の内、残りの8冊は絵本のタイトルが分かっている。

十一月二十九日

となると、元々使われなかった絵本か、9冊の中に確認できない絵本が、自分の絵本ってことになるだろ?

十一月二十九日

この条件はお前も、他の連中も変わらねぇ。

十二単

結局のところ、答えるべきは、元々使用されていない絵本か、9冊の中で自分が確認できていない絵本かの二択になってしまう。

九条

最終決戦には相応しくない、一か八かのゲームですよねぇ。

一宮

(確かに、表向きではそう見えてしまう。しかし、果たして十三形が、何の策略も通用しない、運任せのゲームを提案してくるだろうか)

十三形

さて、残り2分となったな……。

四ツ谷

……一か八かで解答するのは簡単だ。

四ツ谷

でも、ここで十三形に乗せられたら駄目だ。

四ツ谷

十三形だって、正確な答えを導き出せてはいない。

四ツ谷

だから、焦る必要はない。

四ツ谷の言っていることは分かってはいるものの、人間というのは制限を設けられてしまうと、どうしても焦りを覚えてしまうものだ。

みんな顔には出さないものの、多少なりとも焦りの色は見えた。

十日市

当たる確率は2分の1。

十日市

外れる確率も2分の1。

十日市

大丈夫。

十日市

こう言う時は大抵が悪いほうの2分の1を引いてしまうものだからさ。

九条

その悪いものを引くのが、僕達のほうか、それとも十三形のほうなのか。

九条

そこが重要ですけどね。

一宮

みんな、ここは我慢してくれ。

一宮

ギリギリまで十三形の出方を伺おう。

十三形

おー、その様子じゃ、さすがに誰かが先走りそうもないか。

十三形

仕方ない。

十三形

残り時間はあるけど、そろそろお前達に見せてやろうか。

十三形

つまり、誰が呪いの絵本に愛されているのかをな。

一宮

(まだだ。限界ギリギリまで十三形の動きを見るんだ)

十三形

それじゃ解答するぞ。

十三形

俺の絵本は――。

永きに渡り繰り広げられてきた、呪いの絵本をめぐる抗争。

その終わりは突然に、そして静かに訪れようとしていた。

見知らぬ本屋と12冊の呪われた絵本

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