時々、遠い遠い昔、誰かと何かの約束をしたような。
そんな感覚に陥ることがあった
誰かとした、大切な約束
それはわかってるのに
どんな約束なのか、誰と約束したのか
わからない
でも、これだけはわかる
約束をした人は、私の大切な人
お母様
1つ、警告しておきますね
私
お、お母様…やめてください…
お母様
あなたの息子なんかにうちの大事な娘と結婚させませんから
彼のお母さん
こっちだって!
彼のお母さん
あなたの娘と結婚させるのは勘弁です
彼のお母さん
笑わせないでくれます?
お母様
なっ……
彼のお母さん
とにかくもう会わせませんから
お母様
こ、こっちだって会わせません!
"大切"な人
母さん!!
私
お母様…!
彼のお母さん
行くよ!
お母様
行くわよ!
私
……晴くん!!
"大切"な人
美紗っ…!!
"大切"な人
約束…絶対果たすから…!!
私
うん、待ってる…!!
私
必ず迎えに来てね…!!
朝、いつもの景色が見える
と思ってたのに
朝日と共に光る私
光と共に消える私
あ、そっか…私…
夢で確かに彼の名前を呼んだのに
思い出せない私
いつか果たされる
そう思っていた約束は
遠いよりもさきの
光と共に永遠に果たされない約束へと変わっていった
時々、遠い遠い昔、誰かと約束したような
そんな感覚に陥ることがあった
"大切"な人
私
そんなとき、彼を見ると
何故か切なさ、嬉しさが込み上げてくる
私は、笑顔で優しい君に惹かれました