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鮫島結城のスポット

青銅メデューサの隣で 顔を伏せて座り込む鮫島結城

第1人格の私、円形舞台を右往左往しながら 演説もどきの講釈を垂れている

身振り手振りは大袈裟である

捕虫器の蟲は、電飾に触れた途端に燃え尽きて死ぬ。終焉に奏でる音は、実に潔く美しいものだ。
バチバチと消える。
バチバチと存在を知らしめながら、あっけなく終わる。

先程まで無人だった客席は いつの間にか満席となっている

私へ向けて、拍手喝采が湧き起こる

私、満足げに

そうだろう諸君!捕虫器の蟲!それが鮫島結城なのである!

大歓声に包まれる空間 その余韻に浸る私

私はやはり容認できないのである!
一時的な精神の混濁のせいで、感情がコントロール出来ないとしても、人間のあるべき姿の許容を越えているのだ!
燈台下暗しではないが、鮫島結城が存在しているからこそ我々が存在できるのた!
それが全てだ!

突然、舞台の明かりが消える

わずかの間

観客席のひとりの女性 スポットライトに照らされる

ゆっくりと立ち上がる女性 第1人格の私が 鮫島結城の脳内で創りあげた人間

愛人

愛人

アンタ、売れない作家なんだ…

その野暮ったい風貌 しかし、体型はグラマラスである

しばらく見つめ合う私と愛人

その他の観客はいない

音楽流れ出る

ジュディー・ガーランド 虹の彼方へ

愛人

見慣れない顔だね、池袋は初めて?

あ、ああ…いつもは上野でやっているんだ…

愛人

上野?

そう、イカれた町だが、何にも無いようで全ての刺激が詰まっている

愛人

そうなの。

そうとも…

愛人、節目がちに笑う

ん?どうした?

愛人

アンタ、字書きなの?

…そうだ

愛人

有名な人?

まさか

静寂あって

愛人

アンタ、売れない作家なんだ…

音楽、高鳴る

ふたりを残しつつ ゆっくりと明暗

きみの瞳に恋をしている

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