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ジェーン・ドウの偽言

第3話 - 3つ目の嘘

2023年10月17日

#ファンタジー

#オリジナル

きなり

ジェーン

！？

口を塞がれ、強い力で路地裏に引き込まれる。

有り金を全部出せ。

ジェーン

（強盗…！？）

間違っても、抵抗すんじゃねーぞ。

ひやりとしたものが、腕に当てられる。

下手には動けないためよく見えないがおそらく刃物だろう。

ジェーン

…今は、お金を持ってなくて…。

そんな上等な服を身に纏って、
何言ってんだ。

さっさと金を出せ！さもないと…！

リーラ・レモン

結構時間かかっちゃったなぁ…。まさか売り切れてたとは…。

リーラ・レモン

まぁ、できたてを買えたしいっか。

リーラ・レモン

…あれ？二人は…？

カレイト・コヨミ

あ、レモンさん。

リーラ・レモン

コヨミさん、おかえりなさい。

リーラ・レモン

ジェーンさんがどこ行ったか、
知りません？

カレイト・コヨミ

ジェーンさん？

カレイト・コヨミ

…あれ、どこ行ったんだろう？

カレイト・コヨミ

ここにいるよう、言っておいたはずなんだけどな…。

リーラ・レモン

どうしましょうか？

カレイト・コヨミ

…よし、任せて。

カレイト・コヨミ

【学者：聡明】

【学者：聡明(ﾌﾞﾗｲﾄ)】あらゆるエネルギーを操作する。応用として、五感にエネルギーを注ぐことで感覚を強化できるが、体内のエネルギーの量は変化しない。よって特定の感覚しか強化できない。

カレイト・コヨミ

……。

…今は、お金を持ってなくて…。

さっさと金を出せ！さもないと…！

カレイト・コヨミ

…！、レモンさん、急がないと。

リーラ・レモン

…え？

ジェーン

…本当に、
金品は持っていないんです。

ッチ、あからさまな嘘を…。

痛い目見ないと、
わからないみたいだな。

ジェーン

ッ…！

振り下ろされる腕に、固く目を瞑る。

…しかし。

カレイト・コヨミ

ジェーンさん！

ジェーン

え…？

ジェーン

コヨミさん、レモンさん…！？

カレイト・コヨミ

拘束して！

リーラ・レモン

りょうかーい。【番人:鉄壁】

何っ！？

ジェーン

これは…か、壁…！？

【番人：鉄壁(ﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄ)】瞬時に強固な「壁」を築く。維持できる時間は壁の強度、大きさによって異なる。

リーラ・レモン

残念、運が悪かったですね。

なっ、なんだこれ！！部屋…！？
くそっ！ここから出せ！！

リーラ・レモン

そこで大人しくしていてください。

カレイト・コヨミ

怪我は…ないみたいだね。よかった。

リーラ・レモン

…この人はこのまま傭兵団に
引き渡しますか。

ジェーン

お二人とも…どうやって…。

リーラ・レモン

コヨミさんが探索得意なので。

カレイト・コヨミ

強盗…か。早めに治安強化策と、貧困対策を練らないといけないな…。

カレイト・コヨミ

何はともあれ、無事でよかった。

リーラ・レモン

ちょっとだけ待っててください。その辺の傭兵に引き継いでくるので。

リーラ・レモン

広場とはいえ、離れるべきじゃなかったですね。すみません。

ジェーン

いえ！
私が油断していたのが悪いんです。

ジェーン

……。

カレイト・コヨミ

…ジェーンさん？

ジェーン

あ…すみません…ほっとしたら、
なんだか…急に震えが…。

リーラ・レモン

…はい！

ジェーン

…え？

リーラ・レモン

パウラベーカリー渾身の新作！
フレンチトーストです！

ジェーン

ふれ…？

リーラ・レモン

私の祝福で完璧に保温しておいたので、まだほかほかですよ！

ジェーン

ありがとう、ございます…。

カレイト・コヨミ

祝福の無駄遣い…。

リーラ・レモン

何言ってるんですか、
これこそ有効活用ってやつですよ。

リーラ・レモン

せっかくコヨミさんのぶんも
買ったのにな〜。いらないか〜。

カレイト・コヨミ

さすがレモンさん。
どんどん祝福無駄使いしてください。

リーラ・レモン

どうしよっかな？

カレイト・コヨミ

俺、祝福使うとお腹空くんだって〜。

ジェーン

…ふふ。

ジェーン

（あったかいなぁ…。）

マガツキ・M・ミコト

…モリア王国からの使者？
事前の通達もなく？

カッツェ・キナリ

はい。なにか急用があるらしくて。

カッツェ・キナリ

王からの勅命だって言うので…追い払うわけにもいきませんよね？

マガツキ・M・ミコト

そうだな…じゃあとりあえず、
応接室へ案内してください。

マガツキ・M・ミコト

キナリさんも万が一のために、
応接室の外で待機お願いします。

カッツェ・キナリ

了解です。シムちゃんにも
連絡しておいたほうがいいですか？

マガツキ・M・ミコト

そうですね。よろしくお願いします。

マガツキ・M・ミコト

…一体、何の用なんだか…。

To be continued—

ジェーン・ドウの偽言

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