昔から
俺は兄と比べられてきた
兄は俺なんかより勉強ができて
運動ができて
努力ができて
そして何よりも優しくて
いつからか
尊敬する兄のことを
俺は嫉妬してることに気づいて
それで自己嫌悪する
負のスパイラルだ
比べられるのが嫌なら
努力し続ければいいのだろう
でも、兄という高い壁を
越えられる気がしなくて
そんなことを考え
努力が面倒になってくる
俺はとても醜いのだろう
兄は努力をして今を掴みとった
俺は努力をせず今を惰性で過ごしている
それを知っているからこそ
俺は兄に嫉妬し
自分を否定し続けるのだ
そんな俺は
最近噂になっている
ある男の存在を知った
その男は自分の名をオダマキと言っているらしく
雨の日に才能が欲しい
才能なんていらない
と思っている人のもとに現れ
才能の売買を行っているらしい
この噂が本当ならば
俺にも才能を得られるのではないか
そう思い俺は外へでた
幸い今は雨だ
出なかったらでなかったで
諦めればいい
そんなことを考えながら
しばらく歩道を歩いていると
『やぁ』
『君は才能が欲しいんだろう?』
後ろから声がかかる
驚き振り返って見ると
顔の部分が雨のせいなのかぼやけて見えないが
俺と同じくらいの身長の男がいる
オダマキ
オダマキ
オダマキ
オダマキ
オダマキ
弘人
オダマキ
オダマキ
オダマキ
オダマキ
そう言うとオダマキは
ハート型の何かを取り出した
大きさや色は様々で少し不気味だ
オダマキ
オダマキ
オダマキ
オダマキ
オダマキ
かなりサッカーができる人になれるんだ
そう言ってオダマキは興奮気味に話す
オダマキ
オダマキ
オダマキ
オダマキ
異性同性拘わらずモテる人になれるよ
弘人
オダマキ
オダマキ
弘人
弘人
そう言って俺は赤いハート型を指差す
オダマキ
オダマキ
オダマキ
弘人
オダマキ
オダマキ
オダマキ
弘人
弘人
オダマキ
オダマキ
弘人
オダマキ
そう言ってオダマキは霧のように消えた
弘人
オダマキ
オダマキ
海翔
海翔
オダマキ
海翔
オダマキ
オダマキ
オダマキ
海翔
海翔
オダマキ
オダマキ