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才能バイバイ

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才能バイバイ

1 - 才能バイバイ

♥

41

2020年05月05日

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昔から

俺は兄と比べられてきた

兄は俺なんかより勉強ができて

運動ができて

努力ができて

そして何よりも優しくて

いつからか

尊敬する兄のことを

俺は嫉妬してることに気づいて

それで自己嫌悪する

負のスパイラルだ

比べられるのが嫌なら

努力し続ければいいのだろう

でも、兄という高い壁を

越えられる気がしなくて

そんなことを考え

努力が面倒になってくる

俺はとても醜いのだろう

兄は努力をして今を掴みとった

俺は努力をせず今を惰性で過ごしている

それを知っているからこそ

俺は兄に嫉妬し

自分を否定し続けるのだ

そんな俺は

最近噂になっている

ある男の存在を知った

その男は自分の名をオダマキと言っているらしく

雨の日に才能が欲しい

才能なんていらない

と思っている人のもとに現れ

才能の売買を行っているらしい

この噂が本当ならば

俺にも才能を得られるのではないか

そう思い俺は外へでた

幸い今は雨だ

出なかったらでなかったで

諦めればいい

そんなことを考えながら

しばらく歩道を歩いていると

『やぁ』

『君は才能が欲しいんだろう?』

後ろから声がかかる

驚き振り返って見ると

 

おっと

 

図星かな?

顔の部分が雨のせいなのかぼやけて見えないが

俺と同じくらいの身長の男がいる

 

挨拶をしていなかったね

オダマキ

私の名前はオダマキ

オダマキ

才能売買人だよ

オダマキ

ああ

オダマキ

君の名前は答えなくていいよ

オダマキ

梶山 弘人くん、でしょ?

弘人

!?

オダマキ

驚かないでくれ

オダマキ

そんなことより

オダマキ

君は才能を買いにきたんだろう?

オダマキ

君は何の才能が欲しいんだい?

そう言うとオダマキは

ハート型の何かを取り出した

大きさや色は様々で少し不気味だ

オダマキ

私のおすすめはねぇ

オダマキ

このサッカーのシュートの才能かな

オダマキ

この才能は最近売られてきてね

オダマキ

これとセットでパスやディフェンスの才能も買えば

オダマキ

プロとはいかないけど
かなりサッカーができる人になれるんだ

そう言ってオダマキは興奮気味に話す

オダマキ

スポーツに興味がないのなら

オダマキ

恋愛の才能なんてどうかな?

オダマキ

これさえ買えば

オダマキ

魅力は上がるし
異性同性拘わらずモテる人になれるよ

弘人

え、えっと

オダマキ

まぁじっくり決めなよ

オダマキ

私は逃げたりしないからね

弘人

そ、それじゃあ

弘人

この勉学の才能をください

そう言って俺は赤いハート型を指差す

オダマキ

お!これね

オダマキ

ええっとね

オダマキ

君はお金、幾ら持ってるの?

弘人

ええと、一万ちょっとです

オダマキ

ふむ

オダマキ

しょうがない

オダマキ

今回はタダにしとくよ

弘人

え?!

弘人

い、いいんですか?

オダマキ

まぁ君もまた来ることになりそうだし

オダマキ

その時は通常通りの値段で払ってもらうよ

弘人

は、はい!

オダマキ

それじゃサヨウナラ

そう言ってオダマキは霧のように消えた

弘人

一体なんだったんだ?

オダマキ

お待ちしていましたよ

オダマキ

海翔さん

海翔

ああ

海翔

今日はオススメのものはないか?

オダマキ

今日のオススメはサッカーの才能です

海翔

なら、それを買おう

オダマキ

毎度ありがとうございます

オダマキ

お礼と言っては何ですが

オダマキ

今日、貴方の弟さんがいらっしゃいましたよ

海翔

海翔

そうか

オダマキ

今後もご利用お待ちしております

オダマキ

梶山 海翔さん

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