桃夏
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昔から、どの学校にも怪談はあるものだが、この小学校のはレベルが違った。 再来年廃校予定のこの小学校は、廃校の話が出るだけあって、見た目はもうボロボロ。戦前に建てられた木造の校舎は、いかにも幽霊が好みそうな雰囲気をしていた。 そんな環境だから、次から次へと怪談が湧いてくる。やれ夜中に理科室の人体模型が動くだの、音楽室のピアノが鳴り出すだの、誰もいない体育館でバスケットボールが跳ねる音がするだの、いろいろ言われたが、そのどれも、実際に誰かが見たわけではなかった。 しかし、遂にある男子生徒が本当に恐怖体験に遭遇してしまった。 放課後、別棟一階の男子トイレで大きい方をしていたら、便器から手が伸びてきてお尻を触られたと言うのだ。 当時のトイレはいわゆるボットン便所と言うやつで、大きくて深い不気味な穴がぽっかりと空いていた。手の一本や二本は平気で入りそうな穴だ。うんちはそこを通って、下の便槽というところに溜められる。それを定期的にバキュームカーで汲み取るのが、昔のトイレだった。 その生徒はショックで寝込み、しばらく学校にこなくなってしまった。 こうなると友達はもう大興奮。 学校中がそのトイレの手の話でもちきりになった。 休み時間は怖いもの見たさの生徒が大人数で詰めかけワイワイやっているが、実際にそのトイレを使おうとする者はいなかった。 その話は先生たちの耳にも入ってきた。 もちろん、大多数の先生は子供のくだらない噂と相手にしなかったが、オカルト好きの理科の先生だけは違った。 その先生は、放課後、実際にそのトイレを使ってみようと考えた。 万一、手が出てきたら、硫酸でもぶっかけてやろう。そう考えて。 遂に放課後になり、先生はドキドキしながらそのトイレに入り、ズボンを下ろして、便器にしゃがみこんだ。 しかし、五分待ち、十分待ち、十五分待ったが、特に変化は起こらない。 四十過ぎの先生には、段々としゃがんでいるのがきつくなってくる。 やっぱりただの噂か、と腰を上げようとしたその瞬間。 お尻に何か冷たい感触が走った。 恐る恐る下を見ると、本当に、青白い手が便器の奥から、先生のお尻を触っていた。 パニックになった先生は、目を瞑って、手に持っていた濃硫酸をありったけぶちまけた。 その後、手がどうなったかは分からない。次に目を開けた先生が見たのは、硫酸がまかれただけの、何の変哲もないただの便器だった。 翌々年、廃校のため校舎を取り壊していると、そのトイレの下から全身丸ごとの人骨が発見された。 その右手は、なぜか薬品にでもつけたかのように溶けかかっていたという
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コメント
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一瞬だったので読むの大変でした。頑張って下さい。
p(^-^)q