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零円の告白

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零円の告白

16 - そして私たち

♥

1,073

2025年04月13日

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あの日から

1ヶ月がたった

お母様

○○

お母様

今日は冬弥くんの所に行きなさい

○○

はい

私はもう

お母様に従うことしか

出来なくなっていた…

何をしても楽しくない

美味しくない

寂しい

治くん…大丈夫かな

ぼーっとしたとき

毎回治くんのことを考えてしまう

○○

はー…

冬弥様の所へ

行かれますか?

○○

えぇ…

連れてこられたのは

冬弥のところではなく

カフェだった

ここでお待ちください

冬弥様がこられます

そういうとメイドは席を外した

急にカフェなんて…

どういうつもりなのかしら

すると後ろから

冬弥

おー…来たか

○○

冬弥?

後ろを振り返ると

桜子

お嬢様!

○○

え…

○○

桜子?

桜子

はい

桜子

そうですお嬢様

○○

…会いたかった

私は桜子とハグをした

桜子

1人にしてしまい

桜子

申し訳ありませんでした

○○

ううん…

○○

私のセリフだよ

冬弥の方を見ると

私たちを見て微笑んでいた

冬弥

なに

○○

いや…ありがとう

○○

この為に

○○

呼んでくれたの?

冬弥

まぁな

○○

意外と優しいんだね

冬弥

意外とってなんだよ

私が少し笑うと

冬弥

それと

冬弥

お前に会わせたかったのは…

○○

ん?

お父様

○○

○○

え…

○○

お父様…?

なんで…お父様がここに?

しばらく仕事が忙しいって…

○○

あの…えっと

お父様

いいから

お父様

座りなさい

お父様

冬弥くんもありがとう

冬弥

いえ

冬弥

俺は…

そういうと

桜子と冬弥は席を外した

…え、なんで二人共いなくなるの

嫌だよ…

お父様と二人きりなんて、怖い

お父様

○○

○○

はい

お父様

本当に

お父様

お前の意思は

お父様

無視され続けているのか

お父様が発したのは

意外な言葉だった

○○

え…?

父は普段から

私には干渉しない

なんにせよ仕事が1番だからだ

私に何があろうと

助けも心配もしない

そう…思っていた

お父様

○○答えなさい

○○

いや…質問の意味が

お父様

賢いお前なら

お父様

分かるはずだ

お父様

冬弥くんとの婚約は

お父様

確かに家のために決まった

○○

はい

お父様

最初に緋翠から聞いた時

お父様

悪くない話だと思った

やっぱりお母様が全部組んでたのね

お父様

それが

お父様

会社の為になると

○○

そうですね…

お父様

でも私が求めてるのは

お父様

会社の成功より

お父様

○○の幸せだ

○○

え…?

お父様

○○が嫌なら…

お父様

他に好きな人がいるなら

お父様

考え直してもいいんだ

お父様は淡々と言った

でも…私には全て伝わった

涙が

止まらなかった

お父様

…そんなに

お父様

追い詰めているとは思わなかった

お父様

私から謝るよ

お父様

悪かった

○○

でも…お母様は

お父様

あの人の意見が

お父様

全てでは無い

私は…驚いた

今まで気が付かなかったこと

諦めかけていた

お母様が絶対だと思っていた私に

お父様は今

手を伸ばしてくれている

お父様

○○

お父様

お前が本当に

お父様

大切にしたいものは…なんだ

○○

私が…大切にしたいものは

私は答えられなかった

恥ずかしかったわけじゃない

なぜか

分からなくなってしまったから

お父様

難しく考えるな

お父様

どうなりたい

○○

私は…

○○

自由になりたい

そう言って左腕を強く握った

お父様

そうか…

お父様

私もなんとかするから

○○

はい

お父様

後悔のないように生きなさい

お父様

お前の人生なんだから

自分の人生…

お父様と話したあと

1人で散歩がしたくなった

○○

私の…人生?

私は今まで

敷かれたレールに乗ってきた

自分で決めたことなんて

ほぼない

初めて決めたのが

治くんと、付き合うこと

そして反抗もした

この1年で

色々なことがあったな…

私が歩いていると

目の前に人がいることに気が付かず

ぶつかってしまった

○○

あ…すみません

顔を上げると

酷い顔ね

○○

○○

え…

○○

うそ…なんで

なんでって…

冬弥に頼まれたのよ

そういうと遥は照れくさそうにする

○○

どこにいたのよ…今まで

ちょ…やめてよ

こんな感動的なのに

怒る気?

○○

あんないなくなり方

○○

怒るに決まってるでしょ…

ごめんってば

あの時は…

色々あったから

○○

顔…傷がなくて良かった

桜子が丁寧に処置してくれた

○○

そうだったの?

そーそー…

意外と桜子頑固だから

手当するまで

行かせませんって

○○

あ…桜子っぽい

そういうと

私たちは顔を合わせて笑った

なんか…昔みたい

○○

うん

これから

どうするつもり?

○○

分からない

○○

いい加減

レールから外れてみない?

○○

え?

遥の顔見ると…真剣だった

新しい道を切り開かなきゃ

○○

分かってる…

○○

でも

○○

私が今まで

○○

お世話になったことは

○○

変わらない

○○

この婚約を破棄したら…

○○

私は

○○

お母様を裏切ったことになる

それは違うよ○○

全然違う

受け入れるのが全てじゃない

反抗も…喧嘩も

何もかも

成長するためには

必要なことなんだよ

その過去をもつ遥からの言葉だった

○○

…そっか

○○

そうだよね

きっと私の心は

もう

壊れているのかもしれない

あんなに幸せで…見たかった治くんの顔が

思い出せない

どんな顔して笑うんだっけ

キスをしたらどんな反応をするんだっけ

何をしたら…嫉妬しちゃうんだっけ

○○

分からない…

○○

分からないよ…

分からないなら

確かめるしかないよ

○○

でも、

でもじゃない

レールから外れるのが怖いんだったら

私も一緒に外れるよ

すると遥は勢いよく

私の腕を引っ張った

○○

え…ちょっと

○○

遥!

○○

はー…

私は息を切らしながらベンチに座った

疲れた?

○○

当たり前じゃない…

○○

ずっと引きこもってたんだから

○○

なんで急に…

そりゃ…

ねぇ

王子様がお姫様に会いに来れないなら

お姫様が会いに行くしかないし…

その手を私が引かなきゃ

○○

何言って…

すると後ろから足音がした

話ってなんだよ

駿河…

あ…来た来た

○○

え…

治くんは

私を見つけると同時に

私を引き寄せた

○○

え…

あほ…

何してたんやずっと

○○

治くん…

心配したやろ…

○○

ごめん

○○

私…

久しぶりかと思えば

めっちゃ痩せてるし

なんなんもう…

やめてや

心配させんの

○○

ごめん…ごめんね

何があったん…

○○

何も…

何も無いわけないやろ

治くんの目は冷たかった

○○

ごめ…

あ、いや

ごめん

怒ってんやない

ホンマに心配で

○○

わかってるよ…

○○

心配させちゃって

○○

ごめんね

謝んなや

○○

…うん

私は深呼吸をし

この1ヶ月のことを話した

そうやったんか…

治くんはため息をついてからそういった

○○はさ…

結局

どうしたいん

○○

私は…

正直迷ってる

でも…

もう治くんの前では

嘘なんかつきたくなかった

○○

一緒にいたいよ…治くんと

○○

でも…

でもちゃうわ

今答えでたやろ

一緒にいるって

○○

うん…

私は最後の…

覚悟を決めた

○○

私行ってくる

ん…行ってらっしゃい

私は立ち上がって

その場を離れようとした

○○

○○?

○○

ちょっと

○○

忘れ物

え…ちょ

私は治くんにキスをした

は…おま

○○

ごめん

○○

今の精一杯が

○○

これなの

はー…勘弁してや

○○

2回目だね…

私はそう言い残し

その場を去った

家のリビングへ行くと

お母様とお父様が座っていた

背筋が凍るような雰囲気

息をするのも苦しい

1番最初に口を開いたのは

お母様

あなた

お母様

婚約を白紙にするつもり?

お父様

ああ

お母様の問いかけに

お父様は冷静に返す

お母様

冗談じゃないわ

お母様

○○の将来の為にも決めたことよ

お母様

家のためにも…

お父様

それは本当に○○のためか?

お父様

私自身

お父様

娘に愛情を注げていたかと言われたら

お父様

そうでは無い

お父様

むしろ逆だ

お父様

きっと寂しい思いをさせていた

お父様

もっと…

お父様

興味を持っておくべきだった

お母様

それは…あなたのせいじゃ

お父様

いや…違う

お父様

その興味のなさが

お父様

この事態を招いた

お父様

知らなかったよ

お父様

お前が…

お父様

○○にタトゥーを入れたこと

○○

私は唇をグッと噛んだ

お母様

それは…

お父様

それも

お父様

○○のためなのか?

お父様

緋翠…

お父様

お前はやり過ぎた

お母様

あなたこそ失礼よ

お母様

今までで興味なかった癖に

お母様

急に出てきて…

お父様

そうかもな

お父様

でも

お父様

何を言われようが

お父様

私は○○の幸せを

お父様

第1に考えたい

私はハッとした…

今まで誰も見てくれてないと思っていた

お母様

そんなの…

お母様

感情論よ

お父様

あぁ…そうかもしれない

お父様

だがな

お父様

あいつは

お父様

「自由に生きたい」と私に言った

お父様

○○が直接だ

お父様

それを聞いて…

お父様

まだ何も思わないのか

お父様

緋翠

お母様

私は…

お父様

本当に○○を思ってるのなら

お父様

子供の人生を

お父様

簡単に奪うものではない

お母様は俯いている

お父様

婚約の話は

お父様

破談にする

お父様

決定事項だ

そう言ってお父様は立ち上がった

○○

あ…

お父様は家を出て

私とお母様が残った

○○

あの…

するとお母様は

私を無視して立ち上がった

…結局

こうなる

お母様

○○

○○

はい

お母様

その刺青

お母様

消しに行きなさい

○○

え…?

お母様

私が間違ってた…

お母様

謝って許されることじゃないけど

お母様

ごめんなさい

お母様

○○

お母様はそう言って

私の目を見た

初めて

お母様の顔を見た気がした

○○

いえ…私は

お母様

自分のことしか

お母様

考えられていなかった

お母様

いつの間にか…

お母様

貴方の感情を

お母様

何もかも無視していた

お母様

ごめんなさい

そう言い残してお母様は出ていった

○○

…刺青

1週間後

私は治くんに会った

刺青はと言うと

羽を付け足した蝶々だけ

残してもらい

それ以外は跡形もなく全て消した

○○

…よし

○○!

すると前から

治くんが走ってきた

○○

あ…治くん

なんか

テンション低ない?

○○

そんなことない

○○

噛み締めてるだけ

そっか

治くんは私の横に座った

久しぶりの感覚だった

ずっと求めていた…この感覚

私は空を見つめながら

昂ってる感情を抑える

もう…

大丈夫なんか?

心配そうな顔で

こちらを見てきた

○○

うん

○○

もう大丈夫…

○○

婚約も無くなったよ

まじ…すか?

○○

なんで敬語?

私がそう言って笑うと

私の頭を治くんは

わしゃわしゃとやった

○○

え…ちょっと

○○

なに?

お前さー…

今やから言うけど

本気で心配したんだからな

○○

わかってるよー…

○○

ごめんってば

○○

お父様が

○○

守ってれたの

お父様って

ホンマにお嬢様なんや

○○

疑ってたの?

いや…そうやないけど

まぁ良かったな

とにかく

○○

うん

というか…

めっちゃ俺待ったんやけど

ケロッとしすぎちゃう?

○○さん

○○

え…そんなことないけど

そんなことあるわー

悲しいなー

辛かったなー

そう言って私の方を見てくる

○○

なに…

○○

キスして欲しいの?

ん?

私がそう言うと

私からではなく

治くんからキスをしてきた

○○

え…は!?

別に

俺からでもできますし

彼氏なんで

○○

だからって…

初めて治くんから…

お前の彼氏

すごい待ってたんやから

怒るなよ

そう言ってから

治くんは私に笑った

誰が…怒るのよ

こんな人を

私はクスッと笑ってから

立ち上がった

○○

そろそろ行こっか

○○

お腹減っちゃった

だな

そして私たちも3年生になって

月日は巡り

卒業式を迎えた

○○

桜綺麗…

ほんまやな

今年は早いな

○○

だね

色々あったな…

○○

うん

○○

本当にね

あれからも私たちは

付き合ったまま

時を一緒に過ごした

とても1年が早く感じた

それはきっと…

私は横にいる治くんに視線をやる

ん?

○○

ううん…なんも

お前がどんなに金持ちでも

俺は変わらんよ

○○

知ってる…

うわ…何その反応

というか

お嬢様なのに

俺のこと大好きやな

そう言って顔を近づけてきた

○○

な…近い!

もう1年半付き合ってるんですけど

まだ照れます?

○○

照れる…よ

かわいいー…

すると

治くんの後ろから

ドロップキックが飛んできた

痛った

は?

はははは!!!

角名俺が退治したぞ!

この虫けらを!

そう言いながら

侑くんは豪快に笑っている

何やねんお前ー…

角名

はーい…

角名

回収します

角名くんが回収にやってきた

この1年間

変わったこともあったけど

変わらなかったことも沢山あった

○○

あ…角名くん

角名

ん?

○○

侑くんも

なんや?

○○

ありがとう

○○

楽しかった

私がそう言うと

あっかん

サムやっぱ譲ってや

角名

うん

角名

譲って

無理に決まってるやろ

そう言うと

治くんは2人を追い払った

○○

これから…

○○

どうなるんだろ

さぁな

○○

何になりたいの?

俺は…

おにぎり屋さんとか

私は不覚にも想像してしまった

○○

治くんらしいね

○○は…

私は遠くにいるお父様を見た

○○

私は…

○○

跡を継ぐと思う

○○

だからまずは…

○○

その準備をしないと

…だな

○○

自由に生きるつもり

○○

でも

○○

やることもやらないと

そうやな

○○の好きなように

生きてけばええわ

俺のこと

忘れんなよ

○○

はい…?

○○

忘れるわけないし

○○

私たち別れないよね

いや、うん

そらな

○○

意味深な言い方しないでよ

ごめごめ

○○

治…

え?

○○

私一人暮らし始めるから

○○

遊びに来てよ

え…は

行くけど

誘ってます?

私がバシッと殴ると

治はヘラヘラ笑った

こうして…

私と治の高校生活は

終わりを迎えた

だけど、これは終わりじゃない

これは2人の

新しい未来の始まり

END

宮治編!

終わりました〜!!

かなり長かったよね笑笑

でもすごい楽しかった

それじゃあ

また次の私の作品で

この作品はいかがでしたか?

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