「こっちみて」
「俺から離れないで」
しょうもねー、そう思いながら恋愛ドラマを見ている彼女は大瀧 千世(オオタキチヨ)
微ブラック企業で働く22歳アパート暮し
友達に紹介されたこのドラマ、恋愛成就のおまじないがあるらしい
正直恋愛とかどうでもいい、そんな千世はポテチ片手に呆れていた
エンディングが流れる
気づけば終わっていた。内容は初めしか覚えていない
しゃあない、外でも行くかとドアを開けた
外は雨が降っていた
髪がぴょこんっと跳ねる
これだからくせ毛は...そう思い傘をさし、階段をおりる
人がなかなか居ないもんだなあ、
ふと、公園の端っこに何かがいることに気がついた
なんだあれは...なんて
恐る恐る近づくとそこにはダンボールに入ったハムスターが
捨て猫、捨て犬ならぬ捨てハムスター
ハムスターは雨で寒いのか震えてまるまっていた
可哀想だとおもい、拾った
ダンボールの中にはハムスター用の家らしきものと、食べ物が入っていた
それと、置き手紙も
しばらく雨に当たっていたのかびしゃびしゃでなんて書いてあるのかがわからない
『ロボロ○ス△ー、少☆小柄、名前□し、可愛が2 ¥てく#゛さい』
なんて書いてんのかなあ、と思う
ひんやり冷えたハムスターの体をふんわり暖かいタオルで包む
名前が無いらしい...どうしようかな
だいぶ元気になってきたのでひまわりの種あげてみたんだが
こいつ小柄のくせにめっちゃ食うんだよね
あげればあげただけ口に頬張って食ってんだよね
口にいっぱい頬張っていてなんかムカついた
「...えい」
ハムスターの頬を人差し指でつついた
その瞬間口からばらばらと溜め込んでたひまわりの種がこぼれる
「...ブフッ、www」
ぽかーんと目の前に広がるひまわりの種に驚いたあと、「何してくれてんだ」と言う視線をしてきた
謝る意思を込めて頭を撫でる
手紙を見返す。この手紙を元にネット検索してみるとロボロフスキーっていう種類っぽい。
「よし、お前はロボロって名前な。」
ふんわり微笑んで、命名した
目の前が煙で包まれた
先程居たはずのロボロはおらず、私の手があるのは知らない人、否、不審者の頭の上
おかしいな、ロボロ撫でてたんだが
不審者は桃色の瞳を溢れんばかりに見開いて「あれはホントだったんか...」と言った
オレンジのTシャツに黒のインナー、黒ズボン。首には銀のネックレスがしてあった
「なあ、あんさん」
びっくりした。何食わぬ顔で聞いてきた
「聞いとる?」
考えて見てほしい。ハムスターの代わりに不審者がいて、話しかけられた場合どう思うか
、、、怖いよな!!
「...あんさーん?」
「はひっ」
もう目から涙がこぼれてそうなほど怖い、マジ無理
「なあ、飼い主さん、俺と結婚せえへん?」
「ちょっと何言ってるか分からない」
不審者から求婚されたらどう思う
もっと怖いよな!!
「俺な、昔おかんに言われたことあんねん」
《知ってる?恋すると人間になってまうんよ》
そうはならんやろ。(真顔)
なんてつっこめず、ただ頷く
「でな、俺人間なったんよ。もともとはハムスターロボロやで」
「俺人間になったから、多分あんさんに恋しとんねん」
「だから、結婚しよか」
満面のイケメンスマイルで堂々言われた場合
果たしてどうすればいいのだろうか、、、
正直に、連載で書きたい
好評だったらやりたい
以上です。(
<参考>
作詞 作曲 さとう もか 様
Lukewarm より
コメント
14件
うわ。天才かよ。えんがちょ!!!!
面白いです。好きです。
変化の術