テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
まに
3
#ホラー
名瀬口にぼし
221
#タグ?それならついさっきサイモンと一緒にたべたよ?
白嵐
4
399
コメント
4件
うわ……読んでて背筋が凍った。千尋が学校の構造に違和感を覚え始めたところで、あの「♡♡♡」のメッセージ……。しかも差出人が弓美って。ちゃんと死んだはずなのに、あんな姿で彼女を追いかけてる描写が本当にえぐくて、でも惹き込まれた。山根さんのホラー表現、心臓に悪いけどやっぱり上手いと思います。続きが気になって仕方ない……!
千尋はボールペンとルーズリーフを カバンから出して
地下の間取り図をまとめていた
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋はさらに一枚ルーズリーフを取り出す
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
貯水室に入った時のことを思い出す
そこには天井から床まで
一直線に伸びている
直径1メートルほどのタンクがたくさん設られていた
その上部には保健室がある
千尋
そしてボイラー室
普段見慣れない
赤いバルブが大量にあった
そのバルブだけがやけに鮮やかで
萎びた廃墟のような地下に似つかわしくない 存在感を放っていた
果たしてボイラーだけを調整するのかどうか
そこまでは分からないが
とりあえず触ってはいない
もしここで変な手を打って
警報機でも作動したら
それこそ作戦が台無しになりかねない
千尋
千尋
千尋
千尋はスマートフォンを手にして
短いテキストを送信する
千尋
手にしていた2枚のルーズリーフが
はらりと床に落ちる
千尋
紙を拾い上げる
その時
自ら書いた「保健室」という文字が
視界に押し込まれるように強調された
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
それも夏樹に知らせなければと思い
スマートフォンを取り上げる
ちょうどその時
新しいメッセージが届いた
通知のバナーに触れる
千尋
画面が黒くなって
すぐに本文が表示された
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
千尋の手から
スマートフォンがするりと抜け落ちた
どうして?
どうして死ねなんて言うの?
千尋
スマートフォンは表向きで落ちていた
床で発光している
千尋は身を震わせながら
それに手を添える
差出人の名前は
「穴越弓美」だった
スマートフォンが跳ね退くようにスピンした
千尋
千尋は右手で頭の側面を押さえる
そして階段にへたり込んだ
腋の下を
冷たい蛇のようなものがするりと通り抜けた
千尋
千尋
千尋
だが
あのあと何が起こったのかは
全く知らなかった
それに
千尋はテレビ越しに
「それ」をじっと見ていただけだ
それ以外の何もしていない
だとしたら
千尋
千尋の頭の中に
閃光のように映像が迸る
電車に轢かれた弓美
胴体が真っ二つに切断される
真っ赤な血だまり
鈍い音
急停車した車両
人だかり
「事故発生のため遅れる」と言う アナウンス
死んでいるはずだ
だが生かされている
チェインレターによって
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋
胴体のちぎれた彼女が
いた
弓美
弓美
がらがら声の悲鳴が
息を多量に含んだ声がそう叫んでいる
千尋の目線の先
部屋の中央に座している
真っ二つの
赤と白の人物
まるで枯れた生花の茎のように
乾き切ってぐにゃぐにゃに曲がった足
そしてその肌を強調するような赤
手は胴体の付け合わせのように落ちている
指は盆栽のように複雑に屈曲している
爪が剥がれて
その創傷に蛆がたかっている
肌の表面には
切り傷が無数に刻まれている
肉がえぐれている部分から
骨が顔を覗かせている
そしてそのパーツの持ち主は
穴越弓美だった
どれだけ変容していようと
それだけは確かだった
弓美
弓美
目のある部分は潰れている
しかしその窪みはまっすぐ千尋を捉えていた
弓美
声にならない声が
発せられ続ける
それとともに口から出てくる
長期間生ごみを放置した時のような
異臭のする生ぬるい息を吐いていた
弓美
弓美
弓美
声は低い男のものに変わった
弓美