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浅野アサミ

始めようか♪

アサミはそう言うと、 手に持っていたバケツを

床にドン、と置く。

衝撃でバケツの中の汚水が 跳ねて床に飛び散る。

黒川ゆり

うっ…

安藤 あんず

相変わらず酷い匂いね…

沢木 ユウ

あの中に顔を突っ込むとか

沢木 ユウ

正気の沙汰じゃねぇ…

茜 萌音

ありえない…

茜 萌音

ソウタ!待てよ!

茜 萌音

ほんとにやんのかよ!

乙桐ソウタ

……やるよ。

沢木 ユウ

お、お前にプライドってもんはねえのか?

乙桐ソウタ

あっても、やるよ。

茜 萌音

見たくねぇよ……そんなの…

浅野アサミ

さ、乙桐君。

浅野アサミ

バケツの前まで歩いて。

乙桐ソウタ

……うん。

乙桐は躊躇う様子もなく、

バケツの前まで歩く。

しかし、

額にはほんの少し、

汗が滲んでいる ようにも見える。

浅野アサミ

しゃがんで。

乙桐ソウタ

……

浅野アサミ

よし、いい子だね。

浅野アサミ

それじゃ、準備は良いね?

乙桐ソウタ

……うん。

浅野アサミ

物分りが良くて助かるよ♪

浅野アサミ

それじゃ

浅野アサミ

スタート♪

次の瞬間、

アサミは片手で乙桐の頭を ガシッと鷲掴みにし、

バシャアアアアッ!!

と、勢いよくバケツの中へ 沈めた。

そして、もう片方の手で バケツを力強く固定する。

黒川ゆり

ひっ……

安藤 あんず

本当に……あの中に…

安藤 あんず

うえっ…

沢木 ユウ

想像しただけで…

沢木 ユウ

気分がわりぃ…

茜 萌音

ソウ……タ…

茜 萌音

汚いお前となんか…

茜 萌音

付き合っていけねーよ…

茜 萌音

最悪だ……

茜 萌音

非リア、なんて扱いになるなんて…

沢木 ユウ

おいおいそこかよ。

浅野アサミ

こんな時にも自分のことばっかりだね。

浅野アサミ

ま、こっちは
それどころじゃないか。

肝心の乙桐は、 下半身をジタバタと 動かしている。

茜 萌音

も、もういいだろ!

沢木 ユウ

さすがに、1分以上経過してるぜ!?

浅野アサミ

いやいや、まだまだ1分なんて経ってないけど…

浅野アサミ

まあいいか、汚い水の中で藻掻くっていうのも

浅野アサミ

辛いだろうしねぇ。

浅野アサミ

いいよ。解放してあげるよ。

そう言うと、

乙桐の頭を 掴んでいた手を

パッと離した。

その瞬間、 乙桐が勢いよくバケツ から頭を上げた。

乙桐ソウタ

ブハッ……

乙桐ソウタ

ゲホッ……ガハッ……

沢木 ユウ

おいおいソウタ
大丈夫かよ!

乙桐ソウタ

……

茜 萌音

ソウタ?

乙桐ソウタ

……

黒川ゆり

ソウタくん……?

乙桐ソウタ

……ク

乙桐ソウタ

ククッ、ククククッ…

安藤 あんず

え……

乙桐ソウタ

ッククク、ククッ…

乙桐ソウタ

アハハハハハハハハハハハハハハハ!

茜 萌音

な、何……

茜 萌音

何笑ってんだよ!?

沢木 ユウ

どうしちまったんだ…

乙桐ソウタ

あぁ……ごめんごめん

乙桐ソウタ

ちょっと、楽しくなっちゃって。ククッ。

安藤 あんず

楽しく……?

沢木 ユウ

あまりの辛さにおかしくなったのか?

乙桐ソウタ

おかしい……?

乙桐ソウタ

ユウたちにはそう見えてるのか…

乙桐ソウタ

でもごめん、生憎俺は
いつもの俺だよ

茜 萌音

……

茜 萌音

楽しいって……なに?

茜 萌音

強がり?強がってんの?

茜 萌音

そういうのダサいから。

乙桐ソウタ

強がってなんかないよ…

乙桐ソウタ

ああごめん、訂正

乙桐ソウタ

本当はもっと、
罰受け続けたかったな。

安藤 あんず

はぁ……?

沢木 ユウ

お前……本当にどうしちまったんだよ…?

沢木 ユウ

おかしいぜ…

沢木 ユウ

あ……。
分かった、お前…

沢木 ユウ

アサミとグルなんだろ…?

沢木 ユウ

アサミと最初からつるんでて…

沢木 ユウ

オレたちを騙したんだろ!?

乙桐ソウタ

騙す?

乙桐ソウタ

そんなわけないでしょ。ほんと脳筋。

茜 萌音

そ、その脳筋って言葉だって。

茜 萌音

アサミと同じこと言ってるじゃんか…。

乙桐ソウタ

え?あぁ…そっか

乙桐ソウタ

そこまでアサミは俺に影響を与えてたんだね

安藤 あんず

マジ正気じゃないわよ…

茜 萌音

てかどうなんだよアサミ!

茜 萌音

お前、ソウタとつるんでたのかよ!?

浅野アサミ

いーや。

浅野アサミ

残念ながら、
私は乙桐君とつるんでなんかいないよ。

浅野アサミ

そもそも、そんなことができたなら

浅野アサミ

こんな回りくどいことはしないな。

浅野アサミ

あと、

浅野アサミ

こんな頭がおかしい生き物と一緒にしないでもらえる?

沢木 ユウ

嘘だろ……

安藤 あんず

う、嘘よ!

乙桐ソウタ

嘘じゃないよ?

乙桐ソウタ

俺は今、やっと気づいたんだよ。

乙桐ソウタ

俺は、こういうのを求めてたんだって。

乙桐ソウタ

ちょっと苦しかったけどね

乙桐ソウタ

始める前からうずうずしてたんだ

乙桐ソウタ

早く始めたいってね。

乙桐ソウタ

あぁ〜。
こんなに満たされたのは初めて

乙桐ソウタ

誰の尿かしらないけど
感謝しかしてないよ。

乙桐ソウタ

だって、誰かが
流し忘れてなきゃ

乙桐ソウタ

こんな満たされた
気持ちにはなれなかったんだから!

乙桐ソウタ

フフ、フフフ……

乙桐ソウタ

ねぇ、もう1回やらない?

乙桐ソウタ

それか、俺ももう1回ゲームに参加させてよ

乙桐ソウタ

俺が負けてあげるから!!!

沢木 ユウ

マジ……やべぇ……

安藤 あんず

アサミの方がマシって
思っちゃったわ……

黒川ゆり

わたしも……

茜 萌音

……

茜 萌音

気持ち悪。

沢木 ユウ

お前がまともな感想
言ったの初めて見た。

浅野アサミ

ちょっと……これは予想外だな

浅野アサミ

まさか乙桐君、

浅野アサミ

君がこんなに
頭がおかしいなんて

浅野アサミ

思わなかったよ。

浅野アサミ

正直、私も引いてる。

沢木 ユウ

アンタもかい。

浅野アサミ

まあでも、
ゲームに再参加することは出来ないよ

浅野アサミ

ルールだからね。
負けた人は不参加。

乙桐ソウタ

……あぁ、そう。

乙桐ソウタ

じゃあ座ってみてるよ、萌音。

茜 萌音

きっしょいから
名前呼ぶな。

安藤 あんず

ソウタ。アンタここから帰れても

安藤 あんず

一生変態呼ばわりされながら生きてく人生よ。

茜 萌音

もう、何が何だか
わかんねーし…。

浅野アサミ

まあ、続けるには続けるよ…

安藤 あんず

めちゃくちゃ
テンション下がってるじゃない。

黒川ゆり

うぅ、続けるんですか…

浅野アサミ

ルールだからね。

浅野アサミ

さ、気を取り直して

浅野アサミ

ゲームを始めようか。

イストリゲームデス

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